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☆和也家④
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「ひっく……ぐすっ……ずずっ……」
「………」
和也は俺が泣き終わるまで何も言わなかった。何も言わずにティッシュで俺の涙を拭いていた。
そして俺も何も言わずに泣いて、何も言わずに涙を拭いてもらっていた。
……泣きすぎて頭がぼーっとする。疲れる……
なんだか最近、訳もなく泣くことが多い。何で俺は…こんなに弱くなってしまったんだろう……
お代わりとして すっと出された紅茶を一気に飲み干して一息つく。
ふぅ…と、ため息が出た。
落ち着きを取り戻して頭を整理する……。
さっき、和也に…キッキス…されそうに…なって………っ。
咄嗟に……蓮の名前が出た…。やっぱり俺は まだ蓮が好きで……。
でも、和也にキスされそうになったとき、頬を撫でられたとき……体がこわばったりしなかった……
だから、やっぱり気持ちが揺らいでいるのは事実で………
………和也を傷つけてしまったのも…事実で……
パッと和也の顔を見つめる。
これは……俺だけの問題……和也を…巻き込んじゃいけない……
グッと下唇を噛むと和也にビシッとデコピンされた。
「いっ……!?」
訳がわからなくて頭に?がポポポンと浮かぶ。
おでこがヒリヒリして少し痛い……。
和也は少し怒ってるみたいだった……
「か、和也……?」
「バカヤロー………」
え…………??和也の言ってることが全然 理解できない………
「明……全部 自分で背負い込もうとしてるだろ。」
ギクッ!!図星をつかれて体がビクッと動いてしまった。
「……ぃや、それは………」
「明はバカヤローだ!!!!
なんで何も言わないんだよ!!!
俺が…俺がいるんだぞ…!!
なんで時々 悲しい顔するんだよ!なんで苦しいって言わないんだよ!!!!」
和也は叫んだ。……とても苦しそうな顔をして……。
和也の声がリビングに大きく響いた。
和也の本気を聞いて、俺の気持ちも爆発してしまった。
「だって……だって分かんないんだよ…!
自分の気持ちが…!!
蓮が好きで好きで……!!辛いことがあっても蓮が俺には必要不可欠で…!!
でもっ…!今…気持ちが揺らいで……!
和也の顔が浮かぶこともあって!!
こんな中途半端な気持ちを抱えてる自分が凄いイヤで…!!!
……もうっ…こんなの……!!…っあ、」
咄嗟に自分の口を手で塞ぐ。
どうしよう………こんなこと言う気なんて無かったのに………!
ひやりと汗が流れる。
言葉が……止まらなかった……
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