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『幸せ』と『涙』と『笑顔』 side水音
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司さんがボクに聞いた。
ここにいるか?って。
ボクは嬉しくて嬉しくて、目の前がボンヤリと霞んだ。その正体はもう知っている。
だからボクは司さんが心配しないように、目をゴシゴシと司さんのジャージが汚れないようにしながら手の甲で擦った。
そして、精一杯大きく、分かりやすく、うんって頷いた。
すると、司さんがボクがこの短い一生の中で見たことがないくらい優しい笑顔で頷いた。
そのことにボクはまたまたこの短い一生の中で一番『幸せ』な気持ちになった。そして自分でこんな気持ちに驚いて、目を大きく開いた。
ホロリと涙が落ちる。
その直後、ボクはこの短い一生の中で初めて、心からの笑みというものを知った。
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