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ツンデレ司 side司
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クソォ…
あいつら、人の気も知らないで……!
美少年水音が爽やかバカに甘えている様子はあまりにも眩しくて。
爽やかバカがただの爽やかな奴に見えてくる。
というか水音も水音だ。
水音は俺だけに甘えるんじゃないのか。
なんか凛太朗のときより懐いてるし。いや俺よりもじゃないのか?
あんなカンタンに『兄貴』『兄貴』って呼ぶなよ。
それに俺、一応この2人と気まずいんですけど。
青史には昨日醜態を晒しちゃったみたいだし、水音にはほら…アレだし。
そんなことを思っていると、顔を曇らせている俺に気をつかったのか、
「おーそろそろ俺も帰ろかなー。今日は休みだし」
と青史がニッと笑みを浮かべて言った。
え、もう行っちゃうの?
正直な気持ちだった。
まだ昨日の謝罪もお礼も済んでないし、水音と2人きりもまだツライのに。
行かないで。
そう心の中で呟いた直後だった。青史の背中にいた水音がひょっこりと顔を出して、
「兄貴…もう帰っちゃうんですか?」
水音…
胸に少しチリッと焼かれたような痛みが走った。
素直に甘えられる水音に妬いたのか、水音に懐かれている青史に妬いたのか分からない。
けど、胸が痛い。
すると、まるでそれを見透かしたように青史が言った。
「あとは司!ほら俺の胸に飛び込んでおいでー!!」
「え!?」
いつもの、青史だ。いつもの青史だけど…
今の俺はいつもの俺じゃないみたいで。
無性に青史に甘えたかった。
いつも俺の味方で、
明るくて、
何かとあれば励ましてくれた
頼もしい俺のおちゃらけた親友に、
甘えたかった。
気がついたら俺は身体中の血液を沸騰させながら青史に抱きついていた。
青史の胸にスッポリと埋まってしまう自分が少し恨めしい。
けれど。
それ以上に。俺は…
ホッとしていた。
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