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ツンデレ司 side青史
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「司さん?」
返事のない司を心配して、水音クンが俺の背中から顔を出した。
司の背中がピクリと上下する。
俺はふと、水音クンを見やった。
この子に、司はキスしたんだよな?
しかも、おそらくファーストキスというヤツを。
水音クンの先ほどからの言動には、少しの迷いも気まずさも感じられない。
俺に対してはたどたどしかった言葉も、司に話しかけるときは至って自然だ。
まわされた白い手はまだしっかりと俺の腹に巻きついている。
人をハンガーでつついて起こしたわりに、俺が腕を広げたら喜んで飛びついてきたしな。
もしかして…こいつ、本当は人懐こい子なんじゃないのか??
それで司のキスをなんとも思っていないとか?
いや、ファーストキスをなんとも思わないヤツなんているわけがない。
俺のファーストキスは…
俺の頭にポワンと浮かんだヤツを頭を振って追い出す。
アイツのことは今どうでもいいんだよ、でてくんな!!
「司」
『いつも通り、いつも通り』と念じながら俺はゆっくりと司を引き剥がした。
パチリと司はまつげを一つまたたせた。
とたんに、俺はその瞳に吸い込まれてしまう。
こんなに司を近くに感じたのは久しぶりだ。
お前が逃げるから、俺はいつまでも二の足を踏んだままじゃねぇかよ…
「こ…こっち見んな!バカ!」
また、顔を真っ赤にさせたまま、お前は逃げるのか。
こんなにも俺は司のことが好きなのに。
…バカ。
俺はまたゆっくりと司から視線を外す。
いっそ、強引に奪ってやろうか。
ああ、どうしようか。
今、それでいい、そうしろと俺の中の誰かが叫んでる。
その声は最近、日に日にましてハッキリと大きくなってきている。
ああ…俺、決めたわ。
コイツを俺に恋させてやるって。
なぁ? 司。
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