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2.偽りの口調、偽りの笑み-9
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それに、夏は何故か頬を赤く染め始め、口元を触る。
その姿が、なんだかセクシーだ。
(いやいや、何がセクシーだっつーの。意味わかんないからっ)
変に意識してしまうのは、さっきその良い身体を拝んだからだ。
決して、夏に興味があるわけではない。
「このドラマって、ラブシーン多いじゃないですか……」
「え…? あ、原作読んだ?」
「はい……。あと、一話の台本も読みました」
夏はコクっと小さく頷きそう言うと、ハーッと盛大な溜息を吐いた。
その姿はさっきとは別で、大きな身体が小さく見えた。
「俺……初キスは絶対に好きな人とするって決めてたんです……」
「え……? 初キス……?」
その言葉に三善は目を丸くする。
そして、その言葉を信じる事はできなかった。
この業界、隠れて付き合うなんて当たり前の事。
キスもした事ない人間なんかいない。
しかも、夏は二十歳を超えている。十代でもないのに、そんな言葉を信じろと言われても信じられるわけがない話しだった。
「……あっ。もしかして、まだ運命の人と出会ってないから、それ以外の人達との奴はカウントされないって感じ?」
それなら納得がいく。
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