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首席入学生の目標
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入学式から早3ヶ月。あれ以来 紫月 神楽を見かける事は殆ど無く、たまに廊下ですれ違う程度だ。
聞けば彼はやっぱりクオーターだか何だからしく、純日本人ではなかった。
聞けば、なんて言っても、風の噂程度のものだけど。
「─っ!」
「っわ、」
─バサバサッ
ぼんやりしていたら曲がり角で軽く衝突。互いに歩っていたから大事には至らず…か。
………って
「すみません。大丈夫ですか?」
銀髪。透き通った、綺麗な白銀の髪。
「………紫月神楽…?」
「え?あ、そう…だけど」
ネクタイの色を見たのか、タメ口になった相手は間違いなく紫月 神楽だった。
「あ、ごめん、資料落ちちゃった?」
「いや、別に大したもんじゃないし、量も少ないから…」
足元に散らばったそれを拾い上げれば、…生徒会年間冊子?
「…生徒会長、目指してるんだ」
じっと固まっていた俺にそいつははにかむ様に笑って拾う作業を進めた。
前期・後期制のこの学校では、毎年8月に行われる学園祭で委員長や生徒会長と言った生徒会メンバーの他、風紀委員なども引退をし、その3週間程後に選挙がある。
そこで新規役員などを決めるというわけだ。
「だからまずは1年生として副会長にならないと。2年生になった時、その方がきっと有利だから」
まだ6月に入ったばかりなのにもう考えているのか…
「…応援しとく」
ぼそっと小さく言うと、紫月は嬉しそうに「ありがとう」と言って微笑んだ。
─まあ、何だ。つまり…俺は、また見蕩れていた。
紫月 神楽に、俺は魅せられていた。
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