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マジで恋する五秒前【榎月】*10
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唇で舌を挟まれ、強弱を付けて丁寧に吸い上げられると、唾液をすするような音と予想を上回る舌を絡める濃厚なキスに、徐々に心拍数を高められていく。
キスをしながらネクタイを外し、熱に浮かされたようにちなはさんの手を借りて、一緒に制服の全てを脱ぎ捨て浴室内に誘い込まれる。
ちなはさんの体を手繰り寄せ、お互いの唇を強く求め、貪り合う。
生々しく唇を離した時に立てられる音に、今まで以上に興奮を覚えた。
「…ねぇ、知ってる?」
引き返すなら、今だ。
今ならまだ間に合う。
そう思うのに、脳裏に浮かぶ警告を本能が振り払う。
「会話がなくても、相手を知らなくても、キスだけでその人を好きになれるんだって…」
ちなはさんが私の背中に手を回し、更に密着度が高くなる。
「初対面の男女が一切の会話を許されない空間で、一分間キスをして、一分間離れるのを五回繰り返し、どのような心境の変化があるのか?という実験。どうなったか気にならない?本当にキスだけで好きになると思う?」
返事の代わりに再び唇を押し付け、舐め合い、舌を絡めることに抵抗がなくなっていく。
「ちなは?」
きいやさんの声に心臓を鷲掴みにされ、私たちの理性は一気に現実へと引き戻された。
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