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潤の欲しいもの 5
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「うん、叔父様自身が、傷ついていたり、愛に飢えていたりするからね」
と潤も同意した。
「さも、俺が望むものを与えるかのようなそぶりをして、俺に与えず、与えないがゆえに、永遠に縛りつけることができるという支配の仕組み」
潤は、怒りを再燃させたようだった。
「そして支配される者は徐々に弱っていく」
瑶が続けた。
「死ぬまで」
潤が付けたした。
「潤の父上は、それで亡くなったんだろうか? 叔父様にとり殺された?」
「ううん。僕が殺したんだ。さっきみたいに、ナイフで刺して」
「え? 子どもなのに無理じゃない? それに、なぜ?」
前も、潤は、錯乱しながら、そんなことを言っていた気がするが、瑶は、潤の思い違いだろうと思っていた。
「俺を充分愛してくれなかったからだよ」
と潤は説明した。
「待って。殺してしまったら余計愛してもらえなくなるよ? いなくなってしまうんだから」
瑶は、身の危険を感じて、待ったをかけた。
この論理でいけば、瑶も殺されかねないからだ。
瑶が、潤のご期待に沿えるほど愛せるかは、疑問だった。
潤は言った。
「俺の父親という地位にありながら、俺が望むように愛してくれないのだから、俺に殺されても仕方がない。俺を愛することができないのに、俺に君臨しないでほしいから」
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