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高校生の譲 8
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下級生の間では、なぜか昴スタイルが流行った。
昴に似せると俺の好意を勝ち取れると思ったにわか昴が増殖した。
昴と同じルーズな髪や着こなし、眼鏡、奇矯なふるまい。
顔色の悪い日焼けしてない貧血みたいな姿。
そんなのをいくら真似ても、昴の美貌がなければ、どうしようもないのだが、その変な努力を可愛いと思ってしまい、何人かの偽昴を可愛がってやった。
もう一つのタイプは副部長タイプで、中途入部希望者がにわかに増えた。
りりしい短髪で、細マッチョで鍛えたきれいな身体。
顔もそこそこ整っていて身だしなみも気にしている、そんな奴らだった。
そういうタイプの下級生や同級生も、何人か相手にしてやった。
そんなことをしていたので、隼人に払う情熱は、すっかり目減りしてしまい、毎日、今日は誰を可愛いがろうかなあ、などと考える、楽しい高校生活を送った。
「最近どう? 全然連絡ないから、気になってた。僕も忙しかったからいいんだけど」
久しぶりに会った時、隼人は、言った。
俺は、モテモテライフを報告すると
「僕のキスの威力はすごいな。孤独な譲君を、人気者に変えたんだね」
隼人は笑っていた。
結局、隼人と会っても、せいぜい抱きしめてもらうだけだった。
隼人は小柄なので、俺が抱きしめているような形ではあったが、精神的には、隼人のが圧倒的に大人なので、抱きしめられているような気がした。
いつもリーダー役になってしまう俺としては、たまの休息が心地よかった。
隼人は、年が四つ上なだけでなく、頭もよく、精神的にも大人だったので、隼人に甘えるのは、恥ずかしくなかった。
だから、なにもなくても、満足した。
むしろ、そんな関係に安心した。
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