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「まず、ここはどこかのデパートらしい。かなり広いと思っていい。そして、このホールの外は明かりがついていないから暗い。」
赤司が喋っている間は、誰も口を挟まない。
赤司すげえww
「出入り口はありそうだが、鍵がかかってるか見張りがいるだろう。見つけても油断はするな。あと、エスカレーターを見つけた。動いてはいなかったが、あの様子では少なくとも三階まではありそうだ。」
そこで、赤司がちらりとこちらを見た。続いて、他の奴らもこちらを見る。
え、続きは俺が説明すんの?ww
でもまあ、あの状況を一番理解してるのは俺だろう。そう思い、仕方なく口を開いた。
「エスカレーターは道の両端に一つずつあった。んで、その右側のエスカレーターで二階に行ったあたりに……何かがいた。」
〝何か〟。
それはここでは酷く不気味な意味を持っていた。
「結構大きかった。動きはゆっくりだった。」
「武器は?そいつはなにか持っていた?」
氷室が眉を寄せながら聞いてくる。
でも違う。そういう問題じゃないんだよなあww
「分かんねえけど多分持ってなかった。」
「なら、こっちから奇襲すれば…」
「違う。」
氷室が明らかにホッとして言おうとした言葉を遮る。多分氷室は、「なら、こっちから奇襲すればいけるんじゃないか?」とでも言おうとしたんだろう。
「違う。」
さっきより重く、そう言った。
俺の異変に気づいた赤司と真ちゃんが「高尾?」と声をかけてきた。
「ごめん、さっき言ってなかったことが一つある。言わない方がいいと思って、言わなかったんだ。」
遠くからでもよく分かった。
〝あれ〟は、人間じゃない。
「首が、異様に、長かったんだ。」
沈黙が流れる。
それは俺の言葉を待ってるのか、それとも何も言えないのか。
「あそこで言ったら混乱を招くと思って言わなかった。でも、本当だ。首が、ろくろ首みたいに長かった。」
でかい体に似合わないほど細く長い首。一歩進み度にゆらゆらと揺れる首。くねくねじゃなくて、ゆらゆら。
「信じてくれない方が嬉しい。俺も信じたくないし。でも、俺は確かに見た。」
だって、だって、あれは。
あれは………
随分と見覚えがある気がしたから。
「……少し、休んでから行こう。行きたくなくても、行かなければ脱出は出来ない。」
赤司のその言葉に、俺は静かに立ち上がってホールのとなりの小さな部屋に入った。
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