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ホールから出てエスカレーターまでの道をひたすら直進する。
すると、向こうから人影が二つ、近づいてきた。
お、真ちゃんと赤司じゃん。
間の悪さに思わず舌打ちをした。
「……?高尾?」
最初に気づいたのは前を歩いていた真ちゃんだった。
一瞬驚い顔をしたあとすぐに警戒したところを見ると、真ちゃんも俺のことを信用していないらしい。
傷つきはしない。こんなんで傷ついてたらやってられねえ。
まあそっちの方が無駄に罪悪感残んなくて楽、か。
自分の冷静さに我ながら驚いて、少し余裕が出てきた。自然と口角が上がるのがわかる。
「どこに行くつもりなのだよ。他の奴らは?」
「全員ホールで待ってるよw事情はそこにいる奴らから聞いといてww」
流石に内面まで笑える余裕はないなあ。
それだけ言って立ち去ろうとすると、目の前に赤司が立ちはだかった。
「どこに行くか、目的は何かを言え。でなければここは通さない。」
んなこと俺よりちっちゃい奴に言われてもねえ?
というか、なんで上から目線?
随分収まったと思っていたイライラが再発し、俺は赤司に笑いを向けた。もちろん、いつもみたいにうまく笑えてる自信はない。多分冷たい笑いになってる。
「思ってたんだけとさあ、赤司って全員とタメだろ?なんでそんな態度違えの?」
正直ちょっとウザいかなw
そう言うと、さっきの俺と態度も雰囲気も違うことに気づいた赤司の警戒の色が増した。
「僕の言っていることが聞こえないのか?どこに行くか、その目的を、言え。」
「答える義務を持たない。じゃ。」
通り過ぎようとした瞬間、「待て!」という声とともに肩に手が乗せられた。その行為に、条件反射で俺は、
銃を向けていた。
その状況に気づいた真ちゃんが俺を抑えようと寄ってきて、ホルスターから抜いた銃をもう片方の手で真ちゃんに向けた。
「「っ!」」
二人の息を呑む音が聞こえる。やっちった、とどこか他人事のように思った。
でも、やっちまったモンはしょうがない。やり通すしかない。
「さっき氷室にも言ったんだけどよ、あんま干渉して来ないでくんね?てか少しも干渉しねえで欲しいかなwその代わりこっちも干渉しねえからさ。」
この中で圧倒的に強い武器を持ってるのは俺。そのことがよく分かっているから、二人とも警戒しながらも抵抗しなかった。
「そーゆーことだから。じゃ。」
そのまま去ろうと思って横にずれた、その時、なんだか傷ついたって顔をした真ちゃんと目が合った。
なんでそんな顔すんの。
信用してなかったんだろ?だったらそんな顔すんな。
そう言えばよかった。そう言いたかった。
「……別にお前らのことが嫌いなわけじゃねえよ。ただ、俺とお前らじゃ違いがありすぎんだよ。」
何言ってんの、俺。
違うだろ。突き放せ。これでもかってくらい。
「……高尾。」
呼ぶな、そんな声で。顔で。
俺の名前なんか、呼ぶんじゃねえよ。
「……二階より上は行かねえことをオススメするよ。あと、出口見つけたら教える。お前らが見つけたら俺に言わないで行ってくれて構わねえよ。」
それが限界で、俺は逃げるように二人から去った。
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