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天上天下唯我独尊(訳:実家は極道)
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だってさ?。考えてもみろよ?
友達のことを契約者とか言っちゃう頭のおかしい後輩の契約者になんの?俺が?
すっっっげウケるよ?
絶望って顔してたなー、あいつ。頭抱えて疼くまって「魔のダークシンフォニアカタルシスを召喚してやる!!」って叫んで、右腕の包帯をカッコつけて解いていたけど、別にどっか怪我してるわけでもないフツーの腕だったし。つーかダークシンフォニアカタルシスってなに?わけわかんなすぎて逆にウケる。ネット検索しよっかな?
今日も一日楽しかったわ。小林も校内30人斬りとかいうわけのわかんねー喧嘩してたし?あれはバカ笑ったなー。30人もどーやったら敵になんだよ、まじウケる。それが一斉に襲いかかってくるとかさ?やばくね?なかなか学校で見れる光景じゃないよ?
…日常では見慣れてっけどね。もっとすんげーやつも。
なーんてな!
「若、組長が若をお呼びです。」
「あいよ。御苦労サーン」
おっ、ナイスタイミング。襖の外で親父の右腕が俺を呼ぶ。ん?もーわかったっしょ?誰にも言ってねーけど俺の家、極道なんだよね。
んんーっ、と伸びをして身体の骨をぽきぽきっと鳴らす。部屋に置いてある全身鏡に映る俺は、部屋着の浴衣がはだけてなかなかエロい。
「ぶっは!!自分でエロいとか!ひー!」
「わーか!何をしてるんです!」
「ワリー!はいはい今行くから待ってー」
襖を開けて部屋を出ると、床に膝をつけて指を立ててる親父の右腕の清史郎さんがいた。昔、そんな姿になんっか違和感感じて、「そーんなことしなくていいんだぜ?」って言ったら「無理です、若はウチの組のアイドルなのですよ?」って真顔で言われてからはもう口出しはしないでおこうと誓った。俺はアイドルらしい。うん、アイドル。…アイドル。
「はははっ!ねーだろ!ねーわ!あははっ!」
「突然どうしたんです!お気を確かに!」
「お気を!確かに!はははっ!」
まじで何でも考えようによっちゃ面白いよな、せっかく人間として生まれてきたんだから、人生楽しまねーと!
親父の部屋の前に着いたら、俺の後ろからついてきてた清史郎さんはまた襖の前で膝をついた。俺?俺はそんなことしねーよ、だってうちの親父…うん。ははは。コレはさすがにちょっと笑えねーぐらい
息子ラブ!ってやつなんだよねー。
「親父ー、開けるよー」
ガラッと襖を開けると親父は俺に勢いよく飛びついてきた。毎度のコトだからサッと避けると「雷蔵ちゃんひどい…!パパは雷蔵ちゃんに会えて嬉しいからハグがしたいんだぞ?分かるか?羊羹食べる?」っていいながらジリジリと近寄ってくる。まったくファンキーな親父だぜ。
「羊羹は食う。んで、なんの用だよ?」
「あ、清史郎。そんなとこに居たのかお前ー!羊羹食う?」
「戴きます。」
「え?まさか羊羹?羊羹のために呼んだわけ?」
親父は俺と清史郎さんを部屋に招き入れ、羊羹を切り分けてくれた。清史郎さんは俺が切ります!って言ってたけど、親父は「ワシがやるのー!」つって駄々こねた。キモ面白い。
親父と清史郎さんが楽しそうにしゃべってんのを、羊羹を食べながら茶すすってみてると、突然親父が申し訳なさそうな顔をして黙り込んだ。
お、なんか雰囲気あんね、何事?
ごきゅ、と口の中の羊羹を飲み込んで背筋を正して親父を見据えると。親父はクソイケメンな面を少し歪めて言ってのけた。
「あのな、雷蔵。進路どうするつもりなんだ?」
…あっは!!まじ!考えてなかった!!突然そんなこと言われても!つっても俺もう三年かー!今年卒業かー!あっはっはっ、
…考えねーとやべーじゃん。
「組、継ぎたくねぇなら継がなくていいんだからな。好きなことして好きに生きろ、うんうん、それこそが青春。」
「あー。まっ、追い追い考えるわ。つーかなんでイキナリ進路の話?」
「さっき懇談会のお知らせつーのが学校のメルマガで届いた。」
「ぶはっ!!!あはっ!あはは!うちの学校メルマガなんてあんの?!しかもそれ活用してんの?!うひゃひゃ!」
「若!お気を確かに!」
「お気を確かに!はははっ!んで?メルマガ届いてなんなの?」
「ワシは学校には出向けん。清史郎を父親変わりに連れていけと言いたくてな」
「あぁ。ん、りょーかいりょーかい!」
ま、家柄的にしゃーねーし、懇談会なんて誰がきても一緒なんだからそのへん適当でいいんだけどな。ぱくっ、と一欠片のこってた羊羹を食べて、「ご馳走さん」と手を合わせた。自室に戻ろうと立ち上がると、
「雷蔵、」
と親父に呼び止められる。
…なんだこの間。なにかもっと大事なことを言うために俺を部屋に呼んだのかな?いやうちの親父大事なことほどメールとかで送ってくるしな…。そんな真剣な顔されっと内心ドキドキする。なに?何言われんの俺?
「お豆腐買ってきて?」
「あっは!!!そんなこったろーと思ったけど…一瞬の緊張返せうんこ親父!何丁いるの!」
「今晩は湯豆腐にしたい。」
「めっちゃくちゃ要るじゃねーのよ!」
「コレが本題だとか言ったら…怒る?」
「怒んねーからお金ちょーだい。あと俺のすきなもん買ってもいい?ポテチポテチ」
「好きにしろ、そしてお前はもう少し太るか筋肉つけろ。ゴボウみたいになっちまってまぁ…ああ雷蔵ちゃん…」
話が長くなりそうだったんで、俺はお金を貰って颯爽と部屋を出た。あー、組全員分の豆腐だろ?なんぼほど買えばいいんだ?とりあえずスーパーにおいてる豆腐全部買えばいいかな?
俺は部屋に戻って浴衣を脱ぎ、私服に着替えて家を出た。チャリンコではこべっかなー。バイクのがいいかなー。…いや、チャリンコだな。ママチャリを引っ張り出して跨り、スーパーに向かう。あ、そうそう、俺の家が極道ってのは誰にも内緒の話ね?
あの小林でさえ知らないんだからさ。
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