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晩秋の密会
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晩秋の密会は、目的を遂げ得ず、失敗に終わった。
すっかり酔ってしまった竹春は、桐生に介抱されて、タクシーに押し込まれてしまった。
情けない。
失敗だった。
けれど、介抱されたこと自体は、悪くなかった。
年若い彼に、優しくされるのは、甘美だった。
酔った竹春の肩を支えて階段を上り、大通りに出てタクシーを拾ってくれた。
階段を上る時、そのまま、ブランデーの香りのする口づけを交わそうかと思ったが、踏みとどまった。
足元がおぼつかなかったからだ。
身体の大きい竹春がバランスを失ったら、転げ落ちてしまう。
そうなのだ、簡単に転落してしまうだろう。
潤との関係のように。
闇の底でうごめく白い潤の肢体。
這い上がろうと逃げ出そうとしているのに、押さえつける竹春。
裸の尻に自身のものを打ち込んで少年を喘がせる中年男。
あの時、桐生に。
そしたら、二人でタクシーに乗り込んで身を寄せ合い、酔った身体を桐生にあずけ。
そのままいっしょの部屋に。
鍵の開く音。
静寂に満たされたホテルの室内。
ほの暗い照明の中に浮かび上がる寝台。
白いシーツの上に投げ出される男たちの身体。
互いのネクタイをゆるめあい、その首すじに舌を這わせる。
次々に慌ただしく、はずされるボタン。
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