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テキーラ・サンライズ
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「ん……せんぱ、い」
「はぁ、瑞生……っ」
勢い余ってした様なキスは、味わうようなキスへと変わる。
再び重なった先輩との唇の熱がやけに心臓をじりじりと焦がした。
「……お前、本気?」
「先輩こそ……。 ここ、熱い」
「辞めろバカ! 痛てぇっての!」
「ふふっ、おっきくしちゃったから?」
「〜〜ッ」
赤く頬を染めた先輩は案外可愛い。
チラリと下を見れば先輩のズボンはテントを張っていた。
勃ちあがったそこを膝の頭でグリグリと擦ると、小さく声を漏らした先輩の手が腰に回って、そのままお尻へとたどり着く。
「先輩、ソッチの知識あるんだ?」
「……この業界してたら嫌でも知るっつーの」
「そうだよね、確かに。 っ、アッ」
「……」
不意にお尻を揉まれてビクリと体が跳ね上がる。
漏れた声に唇を噛み締めて駆け走る快楽に耐えると、クスリと先輩が笑みを零した。
「声我慢してんのか?」
「先輩が、急にエッチな揉み方するからでしょ?」
「……瑞生って可愛いな」
「……ふっ」
全然嬉しくない。
何だか今日は受けに回りたい気分だったから身を任せたけどやっぱり辞めようかな。
可愛い、なんて言われていい気分になるわけがない。
その言葉は寧ろ聞きたくないぐらいだ。
どうしようか……ここまで火種を撒いておいてやっぱりなんて通用する雰囲気じゃない。
先輩のモノは服越しでも硬く勃ちあがっているし。
なら、口で許してもらう?
初めてだとか、処女とか嘘ついて、適当にイカせれば熱も冷めるだろ。
「せ、んぱ……っ、ちょっと、がっつかないで」
「ッハァ、瑞生」
「……ね、ぇ。 先輩っ」
あー、これは想定外だった……
想像を遥かに超えてノリ気の先輩に少したじろぐ。
俺の声が届いていない証拠に先輩はカクカクと腰をふってソレを擦り付けてくる。
壁に手をついて後ろからは背中に抱きつかれて挟み込まれているこの状態じゃ動くにも動きづらい。
それにこれから就職先になるお店の先輩を無下には出来ないし、何もかも失敗した。
普段の俺なら絶対身近な人には手を出さないのに、参ったなぁ。
「先輩、ッ、ここでするの?」
「瑞生が誘って来たんだろ?」
「……ッ」
その通りだけどね。
確かに俺が色目を使ったけど、何かムカつく。
俺様は一番質が悪い。
全然気持ち良くないのに勝手に盛り上がって押し付けるようなセックスばっかりしてくるから苦手なんだ。
で、多分、先輩はそのタイプだ。
「でも、人が来るよ? 先輩嫌でしょ、男とシてたなんて」
「……構わねーよ」
「は?」
「瑞生なら周りもとやかく言わねーだろ。 お前、顔いいし、周りにも好かれてるし」
「……」
顔が良かったら何でもアリなのかよ。
先輩の言葉に苛ついてくる。
先輩が酔ってる事も俺が誘った事も分かってるしこんな事言われるのは今に始まった事じゃない。
先輩みたいに言う人は幾らでも居た。
体を開けばオンナになれってしつこく迫る糞みたいな金持ちもいたし、優しく抱けば離れないでってせがむ人も居た。
でも皆見てたのは俺じゃない。
いつも、いつだって、俺を見て肌を重ねてくれる人なんて居なかった。
耀さんしか、居なかった。
「先輩ッ、真面目に聞いてッ」
「そんなに心配ならお前はした俯いてろよ」
「そ、言う問題じゃなくて、ーーッ」
「やべぇな……マジで瑞生で俺抜ける」
「ンッ、や、めろ……っ」
ずらされたズボンが膝下迄落ちていく。
露になった恥部の狭間に熱く硬いものが何度も擦りつけられた。
「瑞生のケツ真っ白……お前肌白いから女と変わんねーな」
「アッ、ちょ……ふ、っあ」
「何だよケツの入口擦られてるだけなのにそんなに気持ちいいのか?」
「ちがッ」
「嘘つけ……チンコで擦る度にお前の穴ヒクヒクしてんぞ」
「先輩……ッ!」
ぬちゅぬちゅとお尻の割れ目に先輩のモノが行ったり来たりと滑る。
孔の入口に先っぽが擦れる度、耀さんに抱かれ続けた体はヒクヒクと収縮を繰り返していた。
頭はボーとしてくるし、奥が疼き出す。
萎えていた筈なのに後ろを刺激されたお陰で触ってもいない前は微かに反応を示していた。
「挿入れていいか?」
「は?! ちょ、慣らしても無いのに無理に決まってんだろ!」
「でもここ、パクパクしてんだけど……お前、弄ってんの? ヤラシイやつ」
「んぁあっ」
ヌプヌプと浅く指が行き来する。
そこじゃなくて、もう少し奥へと刺激が欲しく腰が揺れだした。
体はこんなにも快楽に従順だけど、気持ちはさっきから置いてけぼりを食らっている。
もうここまで来たならさっさとヤッて終えた方がお互い楽だって分かっているのに、どうしてもその気になれなかった。
「挿入るぞ」
「いや、ッ、待って」
グッ、と腰を掴まれて身をよじる事もままならない。
先輩から逃げるように前へと体を動かしても壁に塞がれて逃げ道がない。
自業自得だ、その言葉がぴったりなこの状況に諦めて力を抜いた時、こんな誰も通らない様な飲み屋街の路地裏に一人の人影が立ち止まった。
「若いねぇ」
「ーーえ」
「……さっきの」
遠くに煌めくネオンの光をバックに黒を従える様な人が目に映る。
それは、間違いなくその人で。
どうして居るのか、こんな情けない所見られたくなかったとか、色々考えたけど、何よりもその姿を見た途端死ぬほど安堵に包まれた。
「悪いんだけど、コイツ俺の恋人何だよね」
「えっ」
「ちょっと最近喧嘩しちゃってさぁ。 瑞生は意地はりだから、君の事巻き込んだみたいなんだけど……」
「あ、や、俺は」
「だから返してくれるか?」
「……」
「その汚ねぇもん、今すぐ瑞生の体から離せ」
「え……あ」
「俺の瑞生から今すぐ離れろって言ってんだよ糞餓鬼」
「ーーひッ」
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