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2つの動揺
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*・*・*
…さっきの話から少し経ったころ、だいたい4月の中頃のことだった
「…え?」
「いや、だから…その…」
歩人からある話を聞いてる途中、真顔になってポカーンとしてしまった
今聞いた話を簡単に説明すると、
・歩人は『朝の香り』とやらが好きらしく、今はだいたい4時15分頃に起きていて、ベランダに佇み涼しい空気を浴びつつ、その香りを満喫しているらしい。すげーな、おい
・うちのクラスの緒方(だっけ?)という男子からも、それに似た香りがする。しかも今までにないくらい良い匂いで、なんかちょっと果物みたいな甘い感じまでする
…相手は「男」なのに、よく見てみると色々と可愛くて、複雑な気持ちになっ(←今ここ)
「……。」
「…ちょっ、何だよ!別に変なこと言ってねーだろ!?」
うん…変ではなかったよ?前半は、ね
たしかに早起きしたとき窓開けると、新鮮な空気入ってくるし、聞かれたら俺も好きって言うと思う
まあ、歩人はかなーり常人離れして好んでるみたいだけど、特にそれが変だとも思わなかった
いつもシャボン玉をまとったような雰囲気してるのも、こういうのが1つの理由なのかもなー、ってむしろ納得がいく
(……。)
緒方の匂いがその『朝の香り』と似てるという部分は、まあそういうこともあるのかー、と思った程度だった
微かに甘い香りがする、の下りも「ん?」と思いつつ、かなりギリギリだったけど、前述と同様にスルーできた
…しかし、ここにきてスルーできない事実への激突により、道中にもかかわらず転倒事故を起こした
「…だってさ、”可愛い”んだろ?緒方のことが」
「…う…や、やっぱりそれは」
「あのさ…直球で聞くけど、緒方のこと好きなの?」
「へあっ!?」
いや、動揺しすぎだから。そして何だその間抜けな返事は
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