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二度目の朝 …1
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う…ん
朝?カーテンから光が差し込んでる。
身体を動かして今何時か確認しようと思ったら、どうやら腰に回されている手のせいで動けない。
俺は背中から小栗さんに抱きしめられる形で寝ていた。
シングルサイズのベッドに、男2人はかなり狭い。
俺が身じろぎしたからか、回された腕にギュッと力がこもった。
「おはよ…」
小栗さんのかすれた声を耳元で感じる。
「おはよ、ございます…」
なんだかくすぐったいな。
前に一緒に迎えた朝は、小栗さんと離れる事に必死だったけど、今朝は違う。
小栗さんの体温を感じていて、この温もりから、離れたくない。
「佐藤くんの事…このまま離したくない」
そう言って、小栗さんはさらにギュっと抱きついてきた。
「こうやって身体が触れるの、すごく満たされる。…つい、求めてしまう」
小栗さんがスリスリと俺の頭に頬を擦り付けた。
「……でも、頭では正直どうして良いか分からない」
小栗さんの言葉が、俺の胸にチクリとトゲを刺す。
「僕も…です」
僕も…身体は小栗さんを求めている。
だけど気持ちが追いついていない。
だから、どうして良いか分からないんだ。
「ごめん」
小栗さんがポツリと謝った。
「えっ?どうして謝るんですか?」
「俺、怖いんだ。これからのことを考えるのが。そんな状態なのに妙な事に巻き込んで。ごめん」
小栗さんはどうしていつも謝るんだろう。
こうなったのは自分のせいだとでも言いたいんだろうか?
「小栗さん、謝らないでください。僕、言いましたよね?前回も、今回も…後悔していません。むしろ、自分で望んだんです」
俺は身体をひねって小栗さんの方を向いた。
「最初にきっかけを作ったのは僕なんですから…もし謝るのなら僕の方です」
そう、あの日、恋人つなぎなんか仕掛けた、俺のせいなんだ。
小栗さんが真剣な顔で俺を見ている。
それから一つため息をついた。
「フッ、佐藤君には叶わないな」
そう言って、今度は優しく俺を見つめてくれた。
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