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それから
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雅治さんは、少し何かを考えるようにゆっくり瞬きをして、すぐに口を開いた。
「ごめん。今日はもうホテルに戻るよ」
「でも、あの…相談もあるんです。……それに、次いつ一緒に飲みに行けるか分かりませんから…」
…あぁ
松井さん、本当に可愛いな。
こういうのを見ると、男の俺は絶対に勝てないと思ってしまう。
「ごめんな。二人で飲みに行くのは…無理だよ。相談なら、明日聞くから」
雅治さんのその返事にホッとした反面、なぜか松井さんに申し訳ない気分になった。
多分、松井さんがすごく必死な顔をしてるから。
あー、こういう場面は苦手だ。
「あのっ…クリスマス、ですよ?…このまま一人で帰るの、寂しいなー…って。
小栗さんも、彼女に会えてなくて、寂しくないですか?あ、佐藤さんも一緒ならいいですか?」
ちょ…
いきなり俺に白羽の矢がっ。
俺は、どうすれば…
「はぁ…そんな風に佐藤君を誘ったら失礼だろう?」
雅治さんが呆れたように言った。
どうしよう。
かなり、気不味い。
それに、なんか、このやり取り見たくない…
「あ、あの…ごめんなさい。僕、コンビニに行きたかったの思い出したので…これで失礼させていただきます。お疲れ様でしたっ」
二人に頭を下げて逃げるようにその場を去ろうとすると、雅治さんが俺を呼び止めた。
「あ、待って!俺も行く。
…松井さん。あいにく今、彼女がこっちに来てくれてるから、俺は寂しくなんかないよ。
それに…俺は彼女を悲しませるような事はしたくないから」
「…え?」
松井さんが、すごく悲しそうな顔をした。
「そういうことで。お疲れ様。また明日な」
雅治さんは、いつもの微笑でそう言って、俺の隣に来て歩き出した。
「あの…松井さん…あんな風に断って良かったんですか?」
「え?あぁ、彼女来てるって言ったこと?…松井みたいな子には、ハッキリ言った方がいいと思って。それに、彼女来てるのは嘘じゃないし?」
雅治さんはそう言ってニヤリと笑った。
それから、コンビニで飲み物を買って、雅治さんとホテルに戻った。
鍵を受け取って、エレベーターに乗る。
「部屋に荷物置いたら、陸の部屋行っていい?」
ハリウッドオーラを解いた雅治さんが、そう言った。
その笑顔とその距離にドキリとする。
「あ、はい」
何か急に緊張してきた。
昨日、一緒に寝たけど何もしなかったせいか…
雅治さんの顔を近くで見たら、急にウズウズしてきた。
「そうだ。シャワーも済ませていくから。20分くらいで行く。あ、30分にしようか?」
俺に時間を聞くって事は…その…準備して待ってろって事だよね?
「あ、じゃあ30分後で…オネガイシマス」
俺の部屋のある6階でエレベーターのドアが開く。
「じゃぁ…ッん」
挨拶しようとしたら、腕を引き寄せられてキスされた。
一瞬で、唇は離される。
あ…どうしよう…
今の……足りない…
「…どうした?」
ほんの少し。
ほんの少しだけ、自分から近付いた。
「ん…」
すると、雅治さんが強く引き寄せてくれて…
エレベーターが次の到着の音を知らせるまで、強く強く口付けられた。
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