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【後日談】一夜の夢、一生の誓い …8
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「よし!じゃあ私が魔法をかけてあげる!」
エヘンと胸を張るように、マキさんが言った。
「え?それは、どう言う…」
「どうもこうも、そのまんまよ?私が、佐藤くんを女に変身させてあげる」
「えっ?…でも、変身と言っても、俺にはなんの知識も…」
「そこは大丈夫!私、プロなの!」
プロ?
「でっ…でも、変身したとしても、俺の見た目じゃ女になれる気はしないし…」
「いや、それこそ大丈夫!って言うか、佐藤くんの素材見てると、逆に私がやらせてもらいたくなってきた。ってゆーか、素質ありだわよ!」
そ、素質?
「えっ?…いや、あの、でも…」
グイグイ来るマキさんにタジタジの俺。
「でもでも言わない!要は、やるか、やらないか!やりたいか、やりたくないか!よ?」
「う…」
やりたいか、やりたくないか…と言われれば…
そりゃあ、出来る事なら…
でも、でも…
そんな急に言われても…
「変身できるのってさ、タイムリミットがあると思うのよね?ほら、女だって、若い方が化粧のノリがいいし、何より薄化粧で済むでしょ?アレと一緒よ。若けりゃ若いほど、上手く変身出来るのよ?逆に言うと、歳重ねれば重ねるほど、変身が無理になる。つまり魔法がかからなくなる。つまり、やるなら今よ!」
「う…」
マキさんの言葉に、気持ちがグラリと揺れた。
「いつやるの?」
「いっ、今、でしょ」
あっ、釣られてつい!!
そんな俺に、マキさんがニヤリとした。
「よし、やった!決まり!うふふ!なんだか楽しくなって来ちゃった!」
「いえっ!あのっ!」
「いいの、いいの。酔った勢いだと、自分を納得させなさい。ね?悪いようにはしないから」
「えっ?あ…はぁ…」
なんだ、どうした。
いつの間にか、マキさんのペースに流されてるぞ、俺。
「まぁ、私にドーンと任せなさい!」
「あ、ハイ…」
それから、マキさんは普段は美容師をしてるという話を聞かされた。
結構な腕を持つらしく、芸能人を担当したりしてるんだって。
証拠に、ある芸能人とのツーショット写真を見せてもらった。
(写真のマキさんは男だった)
そんな訳で、人を変身させたりするのが得意らしい。
どんな不細工でもテレビのアップに耐えられるように変えられるわ!と力説された。
とにかく、俺はマキさんの勢いに飲まれて、また後日、お酒が入ってない時に会う約束をした。
「彼に、言う?」
俺の帰りを待ってくれてる雅治さんに"今から帰ります"と連絡していると、マキさんがそんなことを言った。
「え?うーん…いや…言いにくい、です」
「やっぱり、そうよね。急にはこんなこと言いにくいわよね。…大事なこと聞くの忘れてたけど…もし、彼が女装を嫌がる人なら…」
そうだ。確かに。
雅治さんは、俺が女装なんかして目の前に現れたら、どう思うだろう?
ふと、女物の下着を着た、あの夜のことを思い出した。
雅治さんは、喜んでくれた。
俺の意識が飛ぶ直前「俺のためにありがとう」って言ってくれたし…
雅治さんなら…俺の気持ちを分かって、女装も受け止めてくれるかもしれない。
「多分…だいじょぶ、です」
「ふふっ。そっか、良かった」
それから、連絡先を交換して、俺たちはそこで別れた。
翌日、マキさんからLINEが来て、あれは冗談ではなかったのだと実感すると、後悔の念がドッと押し寄せて来た…
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