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誕生日会 …6
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雅治さんがパクリと一口、プレートをかじる。
うわ…
この、あーんって、やっぱり慣れない。
とにかくエロいよね。
伏し目がちになる目とか、口からチラッと覗く舌とか…
一口で食べきれなかったプレートを、雅治さんが全部口に収める。
それを見届けて俺が手を引っ込めようとしたら、手首をガシッと捕まれた。
「っ⁈」
雅治さんの舌が、俺の指に着いた溶けたチョコレートを舐めた。
「!!…雅治さんっ」
恥ずかしいから手を引っ込めたいのに、雅治さんの力には敵わない。
丁寧にペロペロと舐めた後、指を口に含んで、チュッと音を立ててから唇を離された。
う、う、う…
なんてエロい顔で舐めるんだよ?
て言うか、舐め方がエロい!!
「美味い…」
雅治さんが、色気を含んだ上目遣いで俺を見ながらニヤリと笑った。
あうう…
指を舐められたくらいで、下腹部がじんわり熱くなってしまいました…
俺はモヤモヤしてるのに!
このくらいでほだされるのは、なんか悔しいのに!
「今度は、ケーキ、食べさせて?」
う…また変なことされない?
俺が黙って見つめていると…
「やっぱり、怒ってる?今日、抜けたこと」
雅治さんがシュンとした感じで聞いてきた。
そっか…
やっぱり、俺の態度が変なこと、気付いてたよね。
気まずい…
「怒ってはないです。…ないです…けど」
「けど?…何かあるなら言ってくれた方が…助かる」
雅治さんが、真面目な顔で俺の顔を覗くようにして見つめる。
う、う…
この目に、弱い。
それに、思った事は話すのが俺たちのルール。
こうやって、キレずに俺の話を聞こうとするところとか…大人だよなぁ。
子供みたいに拗ねてる俺とは、大違いだ…
「あの…すごい、くだらないんですけど…」
「うん」
「雅治さんの後輩に…イライラしたのと…。あと、ジムに連れて行ってくれないのが気になったのと…」
目を見れないから、手元を見ながらそう言うと、雅治さんが俺の手の上に手を重ねた。
「後輩のことは本当にごめん…せっかく準備してくれたのにな…。俺が陸の立場でもイライラするよ」
そう言ってため息を吐いた。
「あと、ジムだけど…ちょっと明日は都合が悪いだけで…今度必ず連れて行くから。本当にごめん。
それにもし陸が、俺がジム通ってるのが嫌だとか言うのなら、辞めてもいいよ」
えっ?
そこまで?
「えっ?いや!ジムは、辞めなくていいです。そんなつもりなんて毛頭ないですから。今度、連れて行ってくれるならそれで。
あと…後輩のことは、雅治さんは全く悪くないんですから。…その、どっちにしろ、俺が勝手に…」
雅治さんが、俺の手に重ねていた手を、俺の顎まで持ち上げて、クイっと俺を上向かせた。
「じゃ、仲直りに、ケーキ食べさせて」
へ?仲直り?
そ、そんな色気たっぷりの目で、そんなこと言われてもっ…
それ以前に、ケンカじゃないしっ。
しばらく見つめ合ったら…
結局、負けたのは俺の方。
「分かりました」
とりあえず、嫌がらせと言わんばかりに、ケーキをフォークで多めにすくう。
そして、ずいっと差し出した。
雅治さんは「プッ」と吹き出した後、大きく口を開けて器用にそれを食べた。
フンだ!
どうせ子供っぽい嫌がらせですよ…
もぐもぐと、一生懸命に咀嚼している雅治さん。
大口を開けても入らなかったクリームが、口の周りに付いていて、いい男が台無しだ。
「プッ!雅治さん、口の周りにクリーム付いてますよー?」
嫌がらせに成功した気がして、ちょっと気分が上がった。
もぐもぐしながら雅治さんがジトッと睨む。
そんな顔で睨まれても、全然怖くないもんね。
ふふっ。
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