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「改めまして。ここの奴隷市場を経営しております。
霧ヶ峰征一郎(きりがみねせいいちろう)と申します。以後、お見知り置きを。」
差し出してきた名刺には、確かに奴隷市場の会社名と代表取締役 霧ヶ峰征一郎と記載されている。
「ああ。こちらこそよろしく…と、言いたいところなんだが、なぜ社長様ともあろうお方がこんな暗いところで看守なんてやってるんだ?」
「なんだ、そんなことですか。簡単なことですよ。
僕は若いですからね。そのせいで馬鹿にされたり下に見られることも一度や二度じゃないんです。
だから、その『若さ』を武器にして、僕の顔も知らないような下っ端で働いてみて、僕がどう思われているのかとか、普段の様子、看守への待遇なんてものをみてるんです。
大事な商品を扱う看守ですからね…大事にしないと。
あっ、まあ、簡単に言ってしまえば、視察のようなものですよ。
ただ、すぐに抜けられる雑務じゃなくて、実際に奴隷を持ったのは、まだ二度目なんですけどね。」
言いたいことを全て言い終えたからか、優雅にくつろいで、こいつの専属執事に持って来させたであろう紅茶をすすっていた。
「あの、なんだ、苦労してるんだな。」
「それはお互い様じゃないですか。あなたも高校生で当主でしょう?
僕、あなたの一つ下の後輩なんですよ。僕の顔、みたことありませんでした?」
「すまないがわからない。なんせもう三年だから生徒会は二年がやってるし、授業も、形式的にしか受けてないんでね。」
「その、生徒会長が僕なんですけどね。僕は存じ上げておりましたよ?
前生徒会長の時政宗京介さん?
っていうか、引き継ぎの時に顔合わせましたよね?」
どうやら覚えていなかったのは、俺だけだったらしい。
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