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次の日の昼休み。
須藤「………」
藤木「なに、そのいかにも不味そうな変なジュース」
須藤「ボタンを押ささった…」
まさの言い分はこうだった。
いつも飲んでる牛乳の隣にそのジュースがあった。
無視して牛乳のボタンを押そうとしたら、新太に声をかけられてよそ見をした。
その時に間違えてジュースのボタンを押してしまったらしい。
新太曰く「今日一日気分が落ち込むほど買ったことを後悔する味」だとか。
てか飲んだのか、あいつ。
藤木「なんで振り向くんだよ。押してから振り向けば良かったじゃん」
須藤「一応先輩だし、呼ばれたら先に返事しとかないとって…」
藤木「変なとこで真面目なんだな」
まさが手に持っているジュースには「スッポン風味ジュース」と書かれていた。
なんだスッポン風味って。
須藤「藤木、スッポンって飲んだことあるか?」
藤木「飲んだことはねーけど、確かスッポンの生血をアルコールで割って飲むんだよな?」
須藤「ん」
藤木「それ風味ってことは…血の味すんの?」
須藤「ん」
ん、じゃねぇ。
藤木「言っとくけど、俺は飲まねぇぞ。血の味とか冗談じゃねぇ」
須藤「でもこれ、500mlもあるんだわ」
なんでそんなにあるんだよ、考えたやつ馬鹿じゃねぇの?
藤木「知るかよ、自分で飲めよ。もしくは捨てろ」
須藤「もったいないから嫌だ」
藤木「じゃあ飲め」
須藤「藤木、半分飲んで」
藤木「俺を巻き込むな!」
俺が叫ぶと、まさはやれやれといったような顔をした。
須藤「分かった。俺が飲めるとこまで飲むから、残った分を藤木が飲んで」
藤木「俺が飲まないって選択肢は無いのかよ。せめて半分以上は飲めよ?」
須藤「ん」
プルタブを上げてパキッと蓋が開いた音がした。
飲む前にまさは匂いを嗅いだ。
藤木「…どうだ?」
須藤「…無臭」
風味だから本当の生血を使ってるわけじゃなさそうだった。
躊躇いもなくまさはぐいっと一気にいった。
藤木「お、おい!?大丈夫なのか?そんなに一気に…」
須藤「………」
ゴクン、と喉を通った音がした。
まさはいつも通り、無表情のままだった。
須藤「…意外にいけるわ」
藤木「マジかよ!?」
須藤「藤木も飲んでみ。大丈夫だから」
藤木「じゃあ…」
恐る恐る飲み口に口をつける。
そしてまさのように一気に飲んでみた。
まさがほぼ飲んでいたため、残ってるのはほんの少しだった。
口の中に広がるフルーティーな、どことなく鉄臭いような味わい…そして、入っている意味が分からない炭酸…ようするにこれは。
藤木「不味いじゃねぇか馬鹿野郎ぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
よく見ると、まさは全身に脂汗をかいていた。
そうでした、こいつはリアクションが薄いんでした。
須藤「でもちゃんと半分以上は飲んだべ」
確かにそうだが、なんか騙された気分。
須藤「ははっ面白い顔」
藤木「………っ!?」
普段そんなに笑わないくせに、こういう時だけ笑いやがる。
藤木「…お前ってたまにずるいよな」
須藤「とうやの反応が面白いから」
藤木「~~っ!!」
須藤「とうや、顔真っ赤」
藤木「その不意打ち止めろっ!!」
なんでこんなにまさに遊ばれてるんだろ。
そっぽを向いてむくれているとまさに「子供っぽい」って言われた。
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