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「んん…」
みじろいで、薄目を開けた深山は、まだ半分以上眠った状態で。すぐにも目をつぶってしまいそうだ。
「ここ、どこ…」
「ミヤさんが降りる一つ前ですよー。」
「ん。…わかった。………じゃあな……」
寝直す気満点のこんな状態で、手をふられても。
「目が覚めたら九州だったとか…」
ありえる。しばらく悩んで、やっぱりこの状態のこの人を残して降りるのは無理だ。そう判断して、蒔田はシートに深く腰をかけ直した。
(何やってるんだろ…俺)
ほとんど初対面で、初めてホテルで声をかけられて、そのまま同じ電車に乗って、最後は自分の降りる駅を通りすぎようとしている。
普段なら、しない。こんなことは。
三人兄弟の一番下で、上二人は姉だから甘やかされて育った自覚もあって、どちらかといえば、世話をやくほうではなく焼いてもらうほう。
ゆとりだし、個人主義だし。らしくないことをしている。だけど、この人を放っておけない気がすごくした。年上なのに。
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