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ほとんどなにもないリビングで、座る場所を探している深山に、蒔田は小さめのクッションを渡して座るよう促した。
が、深山はそれを受け取って横に置くと、その奥にある、人をダメにする例のソファ目掛けてダイブしていた。
「うお。なにこれ気持ちいい…」
「ダメになりますよー」
「何が」
「ミヤさんが」
蒔田はテーブルの上のものをそれとなく片付けてから、テレビをつけようとして、やめた。こっちの地方の深夜番組は、ガチャガチャとうるさい芸人たちがしゃべってるだけの番組が多くて。
なんかそんな音で邪魔されるのがもったいない気がしたからだ。 …何を邪魔するのか、蒔田はそんな自分の頭に浮かんだ単語に疑問を抱かないでもなかったけど。
「お風呂、お湯はります?」
「うん」
梅雨時とはいえまだ肌寒い。よくあるアパートのユニットバスじゃなく、トイレとバスルームが別なのも、蒔田がここに決めた理由のひとつ。
適当なジャージを出して、いつの間にか深山が脱ぎ捨てたジャケットをハンガーにかけた。お風呂に入るといいながら、やっぱりダメになりかけている深山がそこにいて、不思議だ。
「ほら、言ったそばから」
蒔田がソファから引き剥がそうとすると、深山は抵抗して、身体の力を抜いて蒔田の腕に全身の体重をかけてくる。あえなくよろめいて、蒔田はソファに崩れ落ちた。
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