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深山が歯磨きをして戻ってくる前に、電気を消して。エアコンは快適だけど、蒔田はいつもはかぶらないタオルケットを肩までかぶって、左を向いて転がった。
深山はうつ伏せになって、顔だけ左を向けて寝る派だから。顔が向かい合わない。下で寝るようになってから考案したポジショニングだ。
隣り合った布団の、それぞれに入って目をつむると、お互いに意識をしないはずがない。ほっぺにちゅー、は反則だ。男同士の友情の範囲を逸脱してる。欧米人ならいざ知らず。
背中側に、深山が寝にくる。あれ、もう寝たのー、なんてのんきな声が聞こえて。そう思われてるなら、そういうことにしよう。自分のヘタレさ加減にうんざりするけど。深山の顔をどんな顔をして見ればいいかわからないから。
ほっぺにちゅー、が嬉しかったなんて。深山の、唇のやわらかさに照れたなんて。バレるわけにはいかないから。
深山はスマホの画面を見て何かを確認して、深いため息をついた。日付がもうすぐ変わる時間。うつ伏せになって、しばらくゲームをしたり音楽を聴いたり、いつもはそうやって二人で過ごしてるけど、寝ている(と思われてる)蒔田に気をつかったのか、ブルーライトの強烈な光が灯ってすぐに消えた。
隣で深山がみじろぐ音がする。寝返り、ではなくて。そっと蒔田の布団に入ってくるのが、敷布団が沈みこむのでわかった。
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