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後悔した夏の日19
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『ひぃっぐぅっ!たくみぃ!巧スギィっ!もっどぉ…んぁあ゛ぁあ゛あ゛』
録音された情事の音声が流れる。
「…………」
宍戸が持っているスマホからだ…。
逃げられない。
逃げられないのだ…
諦める、しかないのだろうか…
「うぇっ……ぅぅう………」
せっかく取り戻した服を、ゆっくりと脱いでいく。
「じゃあ聖。俺の事を見て、そこで自分でしてみせて?」
俺の部屋のソファに座り、俺を床に這わせて命令する。
自慰を強要されているのだ。
コイツの目の前で。
「俺の名前を呼びながらね?俺の事を見て、するんだよ?」
宍戸の手にはスマホが握られている。
撮るのだ…また。
「俺が何を望んでいるか、わかるだろう?ね…聖?」
宍戸の声が遠くで聞こえる。
でも、射るような視線だけは感じる。
アイツに向けて脚を広げて、まだ勃ち上がっていない自分のものを掴む。
「さぁ、初めて?」
機械音が鳴り、動画が録画されたことを示す音がなる。
向けられたカメラを見つめながら、俺は自分自身を慰めるように、手を動かし始めるしかなかった。
「好き…」
自らのものを触りながら、俺は言葉を紡ぐ。
洗脳だ。
まるでこれは洗脳だ。
どうせ逃げられないのなら、紡ぐ言葉に従った方が遥かに楽かもしれない。
こいつは何処までも追いかけてくる。
だったら、流れに身を任せた方がいいのかもしれない。
「好き…」
ゾクゾクと、身体に快楽が駆け巡る。
「宍戸先輩」
名前を呼ぶと、アイツの顔が綻ぶ。
行為の最中は「巧」と名前を呼ばせることもあるがわ、普段はこちらを強要される。
「宍戸…せんぱっ…」
この方が自然体だからと、わけわからない理屈を並べてくる男。
「続けて?」
促されて、バカのようにその言葉を繰り返す。
「先輩、好き」
本当は好きじゃない
「宍戸先輩、好き」
好きじゃない…
「ぁあぅ…先輩ぃすきぃ」
好きじゃないんだ
「すきぃ…せんぱぁい、すきぃ」
好きじゃないのに
「すきぃ、ししどせんぱい…」
好きじゃないはずなのに…
「すきぃ、大好きぃ」
ほんとは……好き…なのかな?先輩のこと…
「せんぱぁい、すきぃっだいすきぃ…」
いつだったか、彼に向かってそう言ったことがあった…
そんな記憶がふと過る。
もしかしたら、その時から俺はこうなる運命だったのかもしれない…
『先輩、大好きっ』
初めて会ったあの日、なんであんな事言ってしまったんだろう………
ここ数日で散々慣らされた後肛が、疼きを覚え始めている。
「せんぱい…だいすき…」
そう笑う俺に、先輩も今まで見たことのない笑顔で応えてくれた。
それを見て、俺も今まで以上の快楽を感じる。
流されてしまえばいい。
どうせなら、このまま、流されてしまえばいいのだ。
録画を止めた男が、そっと口付けてくる。
ネチャネチャと、舌が絡まりあった。
「お尻も弄って?」
自慰をする手を変え、自らの後肛に言われるまま指を運ぶ。
目の前で緩められる男のベルト。
「咥えて」
再びなる録音の合図。
出会った日を後悔しても、もう遅い。
炎天下の太陽が窓の外でギラついている。
その景色は男のモノで口を塞がれた俺にはもう見えていない。
頭を押さえつけられ、腰を前後に揺すられる。
喉の奥を犯されながらも、ソレに舌を絡めながら、必死に自慰を続ける。
脳が痺れる。
気持ちいい。
「んぐっ……ふぅ……」
あと何日、ここで囚われるのだろうか…
「んっ…んんんっ……」
後悔しても、もうあの頃には戻れない。
夏休みは、まだ終わらないのだ―――。
ーーHappy End?ーー
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