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許される
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雀の手を取って、そのまま歩いていく。
人気のない廊下で雀が立ち止まった。
「大丈夫?」
「...あ、りがと」
ぎこちなくお礼を言えば、ふんわりと笑った。
「なんで、」
「あそこに来たかって?....草薙が、呼びに来たんだよ。何だかんだやっても、伊吹の事心配したんじゃない?」
草薙が....。
やっぱり、草薙はいいやつだ。
心がほんのり暖かくなった。
「ね、伊吹。もう柳瀬は大人しくなると思う。また、草薙に想いをぶつけてみれば良いんじゃないかな?」
「え...?」
「草薙も、柳瀬より伊吹の方が良いってもう気付いてるよ」
なんで、なんでそんな事言うんだよ雀。
そう思って俺は気付く。
そっか、雀は俺を助けたくて付き合ってる演技をしてくれてたんだもんな。
こんなに、寂しくなるのがおかしい。
「草薙を好きでいることは許されるよ」
確かに、草薙は好きだ。
好きな筈なのに、何故こんなに胸が苦しくて痛いのか。
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