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039 鼓動
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「イズミ、こちらを見ろ」
耳元で聞こえる声に、嫌だと頭を振る。
僕の下肢に伸びたハリルの腕を必死に止めようとするが、嬲られながら動かす手には思うように力が入らない。
「ぁっ……うっ……」
自分で慰めた数少ない経験とは比べものにならないほど、ハリルは巧みだった。
最初は凄く丁寧で、優しく触れて来たのに……。少し反応を示したら容赦なく刺激をされ始めた。
同性のモノを触ることに、彼は抵抗はないのだうか。
戸惑いも躊躇いも感じさせず、ハリルは続ける。
「ぃっ……ひぃっ……!!」
ハリルの大きい手で、玩具のように捏ねくり回される感覚に、腰が思わず浮き上がる。
そんな僕の様子を、ハリルは一瞬たりとも目を逸らさない。
「ね……待ってっ……」
手練れた手淫と見られている羞恥で、我慢など全く効かなかった。
「おねがっ……もっ……」
このままでは出てしまう。
このままでは彼の手を彼の手を汚してしまう。
そう思ってるのに、強制的に高み昇らされるのは止められない。
「ぅぁっ……!……ぁあ……」
僕はあっという間に絶頂を迎えてしまった。
その瞬間でさえ、ハリルは僕の顔を凝視し続けている。
「っ……ぃたっ!! やめっ!」
達した後も、搾り取るように扱かれ、敏感な先端部を揉まれて悲鳴を上げる。
「うぅっ……」
初めて人に施された手淫の余韻で、未だ身体が痙攣していた。
「やはり、精通はしているな……」
「っっ……!!!」
それを確かめるために、彼はわざわざこんなことをしたのだろうか。
「酷い……」
鼻の奥が、ツンと痛くなる。
熱が冷めて、急に冷静になる。
だからこそいつまでも下肢を露わにしているのは居た堪れなかった。
(もう、終わったんだよね……?)
いい加減離れて欲しくて、そっとハリルを見上げてみる。
視線が合わさる。――というより、終わった後もずっと見られていたのだろう。
まるで見定めているようなハリルの目が、すっと細められた。
「え……!?」
彼は急に、僕の出したものを後肛に擦りつけてきたのだ。
「やっ……何っ?! ダメッ! そこは……!!」
僕は必死にハリルの手を掴むが、力を入れても彼の動作は全く緩まない。
(そういえば、男同士って確か……)
学校のクラスメートたちがそんな話をしていたことがあったと、頭の片隅に放り込んでいた記憶が思い出される。
ハリルと結婚するということは、こういうことなのだ。
そう、わかっていた。だからこそ、結婚は避けたかったのだ。
しかしわかっていても、実際に陥るとなると状況は全く違う。
「やだぁっ! 無理! きっ……たないからっ!」
訴える僕を無視し、ゆっくりと後肛に太い指が入り込んでくる。
「ぎゃぁ!!」
本来排泄をするための場所に感じる異物感と痛み。
「いったっ!! 痛いっ!!」
ハリルの手は、僕より遥かに大きい。
小指ですら、僕の親指より太いのだ。
(無理無理絶対無理! 凄く痛い!!)
多分まだ指の先端しか入れられていないだろう。
それでも、痛い。あらぬところが痛い。
未知の恐怖でしかない行為が嫌で、僕はがむしゃらに暴れる。
「もうっ……やだっ……」
暴れても叶わない。
恥ずかしくて、怖くて、涙が滲んてくる。
「後ろは初めてか……?」
返事を求めるように、上から顔を覗き込まれる。
暴れて空を切った手が、行き場ををなくして彷徨う。
「当たり前だ!」と思っても、言葉がうまく出てこなかった。
恥ずかしくて本当に辛い。顔を覆い素直に頷く。
初めても何も、こんなこと経験したことなどあるわけがない。
「そうか……」
そう言うとハリルは胸元から何かの小瓶を取り出した。
「……なに、それ……」
そして僕の身体に、その液体を垂らし始める。
「…………やっ!! 何?!」
冷んやりとして、ドロリとした液体。
それを下肢や後肛に塗りこまれる。
「うぅっ……」
まだ終わっていないのだ。その事実で目の前が真っ暗になる。
こんな液体を用意しているのだから、彼は初めからこのつもりだったのだろう。
「変態だ……」
思わず小声で呟く。
言わなければ良かったと、そう思ってももう遅い。
ハリルが僕の顔を覗き込むようにして笑う。
「……この状況で、そんな悪態がつけるか」
僕の身体を撫でる手に、徐々に力が入ってくる。
「酷くされたくて故意にしているのか?」
「ぁあっ……!!」
予告なしに太い指が中に入ってくる。
薬の効果か、痛みはさほど感じなかった。
感じるのは、異物感と圧迫感。
男同志の性行為――指を入れられただけで、無謀さが身に染みてわかる。
ただでさえ無理なことだと思うのに、ハリルと僕とのこの体格差。
根本的に、違うのだ。
ネコ科の動物でも、猫とライオンがいるように。
同じ人の形をしていても、僕はこの国の人たちと骨格からして既に違う……。
(無謀だ……絶対に無理だ……)
「どうされたい?」
まだ馴染まない指をゆっくりと出し入れされながら、そう問われる。
「うっ……ぁああ……」
「酷くされたいのか、優しくされたいのか……」
一向になくならない、後肛の異物感。
この行為が気持ち良くなるなんて、到底思えなかった。
唇を噛んで、答えを拒否して顔を反らす。
「……酷くされるのが良いのなら、このまま私のを入れて切り裂くぞ」
「っっ!!」
低い声で言われ、僕は意地を張らずにブンブンと首を振った。
ハリルのモノを見ていなくとも、身体のサイズ的にそれがどういうことか、安易に想像がつく。
「やだっ……」
そんなことをされたら、きっと死んでしまう。
「ならどうして欲しい?」
ハリルは、僕を服従させたいだけなのだ。
そう思うと、悔しさと悲しさでいっぱいになる。
「やだっ……痛いのはやだ……」
言うと涙が溢れ出す。
無理矢理なこの行為には、僕の意思など全く関係ないのだろう。
「痛いのは、やだ……」
泣いているのが見られたくなくて、両手で顔を覆う。
消え入りそうな声で懇願すると、ククッとハリルが意地悪く笑った。
「なら、いい子にしてるんだイズミ……」
「……っひぅ……」
液体の力も借り、恐らく根本までだろう……深く、深く突き入れられる。
「んぁあ!!」
「子供……らしく、いい子にな」
紡がれた言葉に、スッと気持ちが冷える。
何故そこを強調されたのか……。
深い意味があるのではと恐れてしまう……。
陥った状況に頭が働くわけでもなく、僕は後肛を圧迫されるような感覚に、目を強く瞑り耐えることしかできなかった。
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