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《別れの階段》1
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4月末、暖かくなり桜もはかなく散り終える頃。
みずきとアキラは、普段より少しゆっくり起きて、外出するために準備している。
今日はみずきの仕事が一日休みだったため、久しぶりの二人だけの街デート。
ついにみずきを催眠療法にかける日がきた…。
実施日についてフミヒコと電話で打ち合わせはしているが、催眠療法について詳しい内容は聞いていないアキラ…
今日ですべて終わるのか…
長期戦になるのか…
まったく分からない。
ただ、別れるための第一歩であることは確かだから…
「おっけ、できたよ、行こっか?」
淡い栗色の髪を後ろで結んで、白と水色系のシャツアンサンブルに腰チェーン付デニムパンツ姿なアキラ。
外出時は、普段着より凝った服装。
「…あぁ、行こう」
その可愛さに見惚れてしまいそうになるみずきだが、なんとか頷き答え…
右手を差しのべて、アキラの左手を取るみずき。
優しく手を繋ぐ…。
アキラの左手には、ちゃんと指輪がつけてあって、触れるだけで嬉しい気持ちになるみずき…
アキラの恋人でいられる幸せをかみしめる。
「体調は大丈夫か?」
不意に心配するみずき…もう癖になっているようだ。
「うん、いいよ。晴れて良かったな、今日」
笑顔で答えるアキラ。
体調も崩すことなく…今日を迎えれた。
数日前までは…みずきを裏切ることが後ろめたくて、精神的にも不安定になっていたけれど…
みずきの将来のためと、割り切ることが出来てからは…かなり落ち着いて過ごせるようになった。
今まで尽くしてくれたみずきが離れていく…そう思うと、胸が痛くなるけれど…
それこそ自分のエゴ…
自分のわがままな気持ちだから…
そんな想いは、心の奥底へ抑えこむ…
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