アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
《フミヒコの思惑》2
-
「……」
「……クヤ、サクヤ?少し起きれるかい?」
不意に意識の中に声が入り込んでくる。
「…っ、え?」
瞳を開いて、息をつきながら周りを見るアキラ…
まだ自分はベッドの中だった。
今のは…
夢…?
「よく眠っていたね」
そこにはフミヒコが戻って来ていて、アキラを呼び起こしていた。
「……」
「眠っているところ悪いね、私はもう帰らなくてはならないから。彼の暗示にはもうしばらく時間がかかる、君は休んでいたらいいよ…そして暗示のかかった彼と一緒にここを出て、いつも通りに帰りなさい」
「……」
「暗示のため、幾分辻褄の合わない言動があるだろうけれど、すべて彼に合わせるように…もう、後戻りは出来ないからね」
「……」
「最後にもう一度いう、君は…永遠に私のものだ」
優しくキスを落とし…カーテンを閉めるフミヒコ。
フミヒコの余韻を見送りながら考えるのは…
「夢……」
あっさりと別れを言ったみずきに、何も答えられなかった自分。
……夢と分かった瞬間、安堵した気持ちをかき消すように思い直す。
「でも…これから現実になること」
フミヒコの言うとおり、後戻りは出来ないから…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
100 / 246