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「そういえば、零、能力使うとき目の色がその能力の色に変わるよな」
「え…、そうなの?」
「なんだ、自分のことなのに分かってないのか?」
「…人前で能力はあまり使わないから。それに…誰も、わざわざそんなこと伝えにくるような物好きは居なかったから」
「じゃぁなんだよ、俺はその物好きか?w」
こく、と頷くと煌は呆れたように息をつき、軽く笑った。
「なんで笑うの」
「これからきっといろんな人と出会えるさ、零。きっと信じられる良い人と。今までの人の中にも居たかもしれない、でも、周りの視線を気にしてしまったのかもしれない」
「…周りの目が気になる人なんて嫌だろ」
「顔が綺麗だからなぁ、零は。きっと抜け駆けだと思われちゃうんだよ」
「綺麗なんかじゃ…」
「自覚ないのか!俺なんかよりずっと綺麗だろ、ホラ」
鏡を渡され、見たくない自分の顔と対峙する。
後ろから煌も覗き込んで来て、2人分の顔が鏡に映った。
「零の方が綺麗だろ?」
「煌の方がかっこよくて、僕は女みたいだから…」
「女みたいなんかじゃないよ、綺麗っていうんだよ…零」
「それより…何で僕のこと名前で呼ぶの…。さっきまで普通に苗字だったのに…」
「ん、ダメだった?」
「ダメじゃ、ないけど…」
何だかこそばゆいと思ったけど言って良いのかわからない…
「零」
なでなで、と頭を撫でられて、言いようのない気持ちになった。
あったかくて、もっとなでてほしいような…
何だろう…感じたことのない安心感…
「…もっと…」
「ん?」
「…もっと、なでなで…」
もっと撫でて欲しいのだと袖を引いて小さく声に出して見る。
「どうした?w」
少し驚いたように言いながらも、撫でる手は止めない。
「…ごめんね…わがまま良くないの…わかってる…けど」
「わがままで良いんだよ、零。俺の前では何も我慢しなくていいの」
「…うん」
「…零、俺の部屋おいで。ひとりぼっちは寂しいでしょ?」
すっと差し出された手に自分の手を乗せた。
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