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彼女持ちのせんぱいに恋してるのに兄と幼なじみに猛アタックされてます。
悲壮⑤
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──何かが切れる音がして、心の苦しい思いと同じくらい、
涙がどんどん溢れてきて、止まらなくなる。
「ふなみっ……せんぱ、がっ……なみせんぱい……が……っ」
「うん……」
ヤス兄はよしよしと俺の頭を撫でる。
「俺に好かれ……気持ち……わる、って……っ」
そんなに優しくされると、涙が……声が、全部全部出て行ってしまう。
「……そうか。大丈夫。気持ち悪くないよ。
可愛いすぎるくらいだよ。
俺なんかお前に好かれたら最高すぎて萌死にしちまうよ。」
「──んぱいに……きらわれ……」
「気にすんなあんな奴。バカなんだよバカ。
お前の可愛さに気づかないなんてクソだよ。
こんなにお前に好かれてるのに、勿体ねえなぁ……損してる。」
甘えてしまう……。
ヤス兄の胸にすがってしまう。
「お兄ちゃ──……俺、学校行きたくな……行きたくない……っ」
「明後日まで頑張れよ。
あいつ修学旅行でいなくなるし、ついでに忘れちまえ。他の恋に励めよ。
俺はいつでも大歓迎だからな。」
「ん、ありがとう……。」
ヤス兄が身体を離して俺の涙を舐めとる。
ちゅ、ちゅとキスをしてきてくすぐったい。そしてウザい。
ぺち、と顔をグイグイ押すと、「けち」と頬を膨らませる。
思わず笑ってしまうと、それを見て柔らかく微笑んだ。
「──でも、いい思い出まで忘れることはないと思う。」
……え?
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