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春【木兎 赤葦】
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春になれば、悲しみが訪れる。
春になれば、胸が踊る。
少年は、そのどちらでもなかった。ただ、ぽっかりと空いた隣の席を埋める事だけに必死になっていた。
変な頭の、馬鹿な先輩。しかし、どこか頼りがいのある、信頼されていた先輩。唯一の副主将だった自分。彼にとって自分は、かけがえのない存在だと信じていた。
そんなものも、幻想に過ぎなかったと気付くのに、時間がかかりすぎた。いつかは訪れるはずだった別れを惜しみ、それ以上のものになろうとする、欲が断ち切ってしまった。
赤葦京治は涙ぐむ。今、目の前で部活動引退の言葉を紡ぐ、彼の姿に。
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