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王子さまの裏の顔
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次の日、俺は珍しく早起きをした。
と言ってもいつもが遅いからあまり早朝というわけでもなくて。
恐らく他の人の普通と同じくらいだ。
家にいたくはないしすることもないから学校行って昼寝でもするか。
そう思って俺は伸びをしながら支度をする。
朝ごはんはコンビニで買ったおにぎり。
昼もコンビニで済ませる。
俺はそれでも十分満足していた。
もともと食べることに関心がなく、作る気力もない。
少しして用意が終わり、家を出た。
できるだけ早く家から離れるように早足になる。
俺は学校まで電車通学で、今日は人が少なくてほっとしている。
いつもは嫌な目にあうことが多い。
まぁ、大声を出せばいいだけなんだけどあれにはいつまで経っても慣れることはない。
揺れる電車の中で俺は少しの恐怖心をいつも持っているのだが今日は清々しいほど気持ちがいい。
早起きをしたからなのか。
きっと今日はいいことがある気がする。
このあと起こることを当然知らない俺は呑気にそんなことを考えていた。
長いこと電車に揺られようやく学校に着いた。
新しく建て直され結構綺麗な校舎を持つこの高校は、今受験生に人気の学校でそれなりに頭がいいので有名でもある。
そんな学校に頭の悪い俺が入れたのは、奇跡でもなくある約束を守るためだった。
それは、親との約束でこの学校に受かれば、一人暮らしをさせてもらえるという条件を達成するためである。
その条件をのんだ俺は、必死で勉強した。
今まで遊んできた時間も遊ばずに、ご飯を食べる時間も勉強に当てた。
これにはかなり精神が参ったが。
そして猛勉強の甲斐があり、この桜橋高校に入学できたのだ。
それからの成績の下がりようはまあしょうがない。
校門を抜け、校舎へと入る。
まだ人も少なく、これなら当分眠れそうだ。
階段を上ると人の気配はなくなった。
屋上へ入る扉のドアノブを回すと案の定鍵がかかっていた。
でもコツさえつかめば一瞬で入れる。
この扉荷は弱点のようなものがあって二、三回蹴りを入れると衝撃で鍵が回る。
あとはドアノブを回せば簡単に開けるのだ。
これは、俺が編み出した、必殺技。
少し得意げになりながら外へ出る。
そこは、明るくて日当たりも良く、風が通っていて快適な場所だ。
「はあぁぁぁ。」
一度大きな深呼吸をしながら伸びをする。
ここは心が解放されて、お気に入りの場所だった。
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