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#5
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資料を担当の先生に持っていくと、俺と山岡は一緒に帰った。
校門を出て、一緒に並んで歩いた。
「……なぁ、皆川ってホモだったのか?」
「ぶっふぅう…!…っか、げほげほッ!…んな、いきなりなんだよ!」
山岡からの単刀直入な質問に驚き、俺は飲んでいたイチゴミルクを気管に入れてしまい、むせてしまった。
「……いや…。俺のこと、そういう風に見てたんだーって思って。」
「べ、別にいやらしいように思ってたんじゃねぇよ!…ただ普通に、山岡っていいよなーって。」
「それがちょっといやらしく聞こえるんだよなぁ。……もしかして、あーいうこととかも想像しちゃってたのか?」
「し、してな…かったワケじゃねぇけど…。…でもでも!!俺にはそんなこと出来ねぇし…!…そ、それに!好きになったのとか、お前が初めてだから、自分がそういう人間だったのとか知らなかったし…。」
…なんだよ、俺…。
自分から山岡に告っといて、俺の方が余裕なくってどーすんだよ…。
「え、皆川って、好きな人とかいなかったのか?」
「気になってた女子とかはいたけど、あんまりこう…、この子しかいねぇ!って思ったのは山岡が初めてかな…。」
って…!!
カァアアア…///
俺は何そんなこっぱずかしいことを、普通に言ってんだよぉ!!
やべぇ、恥ずかしくて山岡が見れねぇ…。
「……ぷっ。……ククク…!」
「な!おい、山岡!!何笑って…、……ぁ…。」
「あっはははは!!!…皆川って、そんなこと言うんだな!いいこと聞いちゃった~!」
思わず、何の曇りもない顔で笑う山岡に見とれた。
こんなふうに、これからもずっと俺だけに対して 大きな口を開けて、くしゃっとした笑顔を見せてほしかった。
「ちょ!今のナシ!忘れろって!!おい、山岡ぁ!!」
言葉では、少し怒ったように言ってしまう。
でも、心の中じゃそんなことはなくて、とても喜んでいた。
これから先は、いつまでもこうして笑いあっていたいと思った。
一緒に並んで帰って、ダベって、飯とかも食いに行って、カラオケとかゲーセンとか。
そういう普通の幸せを、男同士っていう隔たりを気にせずに、感じていたいと思った。
そして、家に帰って思った。
……あ。山岡にケー番聞くの忘れた。
ま、いいか。どうせまた明日会えるんだし。
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