アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
呂色の章8
-
私の心は一週間後に逢える女医の事で一杯だ。
部屋を掃除してインテリアを運び込んで、可愛いベットを運び込んだ。二つともホテルなどで使われる折り畳みの補助ベッドだ。軽いし、幅が狭いから私でも軽々移動できる。
狭い部屋にはぴったりだ。
フックの下に頭が来るように壁にベッドをぴったりとくっつけた。二台の寝台を同じように並べて、可愛らしい白いレースのマットを敷き、最後に左のベットには黄色のクッション、右のベットには青いクッションを置いた。
カイリは部屋の出来に満足したが、思い出したかのようにダンボールの箱を取りに行き、それを乱雑に床に落とした。ジャリンと重そうな音を立てて落ちた箱を開くと中味は黒い鎖と手枷だった。SMショップから取り寄せたのだ。他にも幾つか拘束具がある。それらを取り出しながら、壁に作り付けて貰った棚に収めて行く。
「ネットって本当になんでも手に入るわね。さてと、用意は出来たし、明日迎えにいこうかな。」
普通の人間なら考えられない事をしているカイリだが、彼女にとってそれは普通の事だ。先日の殺人も彼女にはさして響いていない。どころか、一皮剥けたみたいに生き生きしてさえいる。カイリは立ち上がってリビングに行き、テレビをつけた。
《……残念なニュースです。oo町で昨夜未明土木業を営む男性から警察に通報があり、資材置場として使っている場所から6匹の犬の死骸が発見されました。警察では同一犯の犯行と見て犯人の行方を追っています。兎、猫、犬と続いて動物を虐待する犯人。周辺住民は眠れない日々を過ごしています。現場から中継が繋がっています。山川さん?》
「あー?何これ。まだ、捕まってないんだ?」
この街を脅かしている事件だ。
なによ、動物くらいで大袈裟。カイリにはつまらないニュースの類いだ。だが、この街でこの犯人を理解できるのはもしかしたら自分くらいだとも思った。
「矢ガモ程度なら自分の本能に従ってるだけだけど〜パターンがあるから怖がらなくてもいいのに。騒いでバカみたい。ウケるんだけど。」
もし、人間が対象になるようなことがあったら備えておけばいいだけ。私みたいに。
そう言ってカイリはポンポンとピンクのブランドバックを叩いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
113 / 159