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銅色の章15
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「和也は頭が良い子だからすぐ覚えると思うの。だけど、今は新しいお家に慣れてないでしょ?もちろん私にもね。暴れたりしたらママ困っちゃうじゃない?だから、わかるでしょ?お返事は?」
「………はい。」
「信じてもらえないかもしれないけど、ママは慣れたら和也を自由にするつもり。この家を出て自由に外に遊びに行ったっていいの。好きな時に食べたい物を食べていいし、欲しい物は何でも買ってあげる。高校も大学も行きたいなら行かせてあげる。」
スタンガンの青白い光が前を向いている和也の白目の端に映る。脅しと狂気とおかしな未来にあるという自由。今日のところは逆らわなければ手荒な事はしなさそうだ。"ママ"が背後の壁から鎖を取り外して後ろで持ち、犬の散歩みたいな状態でトイレに向かう様に言ってきた。
この部屋の一角に、簡略化された図案で青で示された男と赤で示された女が隣り合って立っている共用トイレのマークの付いているドアがあった。和也は迷わずそこにむかった。ウォシュレット付きの洋式トイレが一つ、窓は無く小さな換気扇が一つ。逃げ出せそうにない。
ドアを開けたまでは良かったが、"ママ"が和也の鎖を持っているからドアが閉めれない。困って背後を振り返ると、早くしちゃいなさい、1人でできるでしょ?と言われただけで閉じるつもりはまるでないと分かった。更には、この家では大も小も座ってする事と指示される。理由は立ってするとオシッコが飛び散って掃除が大変だから、だという。
和也は尿意に負けておずおずと仕方なく腰掛けた。
もう少し粘りたかったが、膀胱が限界だったのだ。漏らすよりは良いと思ったのだが、いつもと違う作法と他人に見られているおかしな状態に自身が縮こまってしまっている。
足を閉じていたが、これでは内腿が汚れる。変な汗をかきはじめたころ、"ママ"が足を開けばいいでしょうと言う。その声に苛立ちが混ざるのを敏感に感じると、和也はスタンガンを思い出してすぐに膝を割った。
こんな時に限ってチョロチョロと時間がかかって長い。
せめてと和也は顔を伏せた。
確かに現代の日本に自分は存在しているのに、ここではおよそ現実感の無い奇異な光景が繰り広げられている。
和也は思った。
見なくてもわかる。
"ママ"はどうでもいい事を見てる様な目で、和也の排尿を眺めているに違いない。
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