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東雲はお話がしたい
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初めて園原を見たときは、可愛いなんて全然思わなかったのに。
むしろカッコいいと思ったくらいで、憧れたくらいで、なのに俺の気持ちは少しずつ変化して大きくなった。
あんなにも遠くでただ見つめていただけだった園原が、今は俺の隣にいて俺のことを気にかけてくれている。
そう思っただけで、嬉しくて笑みが溢れてしまう。
だからこそ、もっと園原の色んな顔を見たいと思う。
「二人で話したいと思ったんだ」
俺が園原を自分の家に誘った理由を、丁寧に伝えたくて、この気持ちも一緒に伝わるように、俺は園原から目を逸らさない。
「園原のこともっと色々知りたくて、俺のことも沢山知ってほしくて、だからゆっくり二人だけで話したいなって思ったんだ」
「...奏太」
キョロキョロの目線を彷徨わせていた園原が、再び俺の方を向いてくれる。
「ほんと...恥ずかしい奴」
照れているのか、反応に困っているのか、なんとも言えない表情で少し口を尖らせた園原は、何かを考え込んでから口を開いた。
「話..ねぇ。じゃあ、俺が気になってたこと聞いていい?」
「う、うん」
改まってそんな事を言われると、何だか緊張してしまう。
「お前さモテるじゃんか。今まで誰かと付き合ったことはあんの?」
「ないよ。俺の初恋は園原だもん」
「あー....、うん。それは前に聞いた気するけど」
口元を引きつらせながら乾いた笑みを浮かべる園原を見て、きょとんと考える。
俺も前に言った気がするけど、じゃあ、何で今さらそんな事を聞くのか。
俺にとっては園原が初恋だから、他の人と付き合ったことあるわけないのに。
「でもお前告白された事くらいあんだろ?相手が可愛かったら好きじゃなくても付き合うくらい...」
「..好きじゃないのに付き合うの?」
互いに想いあってるからこそ、その上に恋人という関係が出来るのではないのか。
園原の言っていることがよく理解出来なくて、素直に聞き返す。
すると園原は居心地悪そうに目線を泳がせた。
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