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目的は・・・
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「へぇ、ほんとに大人しいね。三番、この子の名前は?」
「本名は八代純一やしろじゅんいち。
既に両親とは死別されていて、他に懇意の親戚はおりません。
今はアルバイトなどを掛け持ちして、ほとんどその日暮らしをされていたようですね」
「ふぅん、じゃあ何ってよぼっかなぁ」
「あ、ねぇ樹、じゅんいちのイチってどう?何か犬みたいで可愛くない?」
「イチかぁ、うん、いいね。じゃあイチにしよっか」
「やったぁ、それじゃあイチ、よろしくね」
・・・こいつらは一体、何を言ってるんだろうか。
三番と呼ばれた爺が俺の情報を言い出した時は心底焦ったが、その後の会話はほとんど意味が分からなかった。
分かったのは、俺はこれから暫くここに居なければならないと言う事だけ。
だがこんな形で連れてこられた以上、そんな事考えるまでもなく分かる。
俺は何のために連れてこられ、これから何をされるのか。
それが一切わからない。
分からないことには抵抗のしようがない。
「・・・おい」
「あ、喋った、春喋ったよ」
「何が楽しいんだこのガキ、目的を言え」
「い、樹ぃ、これ怒ってるんじゃないの?」
「怒らねぇと思ってんのか馬鹿、俺をここに連れて来た目的を言えっつってんだよ」
少しでも話の通じそうな爺に話しかける。
「貴方がここに」「待って」
折角話が聞けそうだったのに、えっと確か、いつき?が爺の言葉を遮った。
「今春の事馬鹿って言った?」
「何か問題あるか?」
「謝って」
「うるせぇ黙れ、おい爺話を」「謝って」
言葉を遮られたことにカチンと来ていつきを睨む。
「おい、黙れっつったのが聞こえなかったのか?殺すぞクソガキ」
「・・・三番、拘束しといて。事情は僕が説明するからお前はしなくていい」
「かしこまりました」
それだけ言うと、いつきははるの肩を支えて部屋から出て行った。これで話ができる。
「爺、話の続きだ」
「かしこまりました、ですがご主人様より拘束して置けとのご命令もありましたので、動きながら失礼致します。
準備するものがございますので、少々お待ちください」
よし、やはりこの爺は少しは話が通じる様だ。
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