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喋れない
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「……………、は…?」
……都が……喋れない……、?
「…….いやいやいや……」
おれはそんな教授の言葉に軽く笑いながら首を横に振った。
だって、アイツ、階段からコケる時、
"ウワァァアっっ!!!!!!!"
俺にもしっかりわかるくらいにそう言っていた。
ちゃんと"喋っていた"
なのに、
「…いやいや……それはないですって、教授…」
「……、無いってなぜそんな事が言えるんだ、?」
「、…、いやだって、俺、聴きましたからあいつの声。」
俺が普通にそういうと、教授は俺の事を眉をひそめて見て、ハッと笑うと
「、それこそあり得ない。…、だって私はミヤくんが喋っているのを一度も見た事が無いんだから。」
そういうと、「それなのにここに来て3日の君が聞いた事あるなんて可笑しいだろ、?幻聴だよ幻聴。」と付け加えた。
…、幻聴…、、??
いや、確かに俺はあいつの声を聞いた……ハズ……、、。
…………………………、でも、
もし、あいつが喋れないというのが本当だったら、、、、、。
もしあいつが、助けを求めたかったのに、喋る事が出来なくて物理的に求められなかったとしたら…………。
バッッッ!!!!!!!!
気付いたら俺は研究室を走って飛び出していて、
「っ逢坂くん、?!?!!!!」
勢いよく閉めた扉の向こう側でそんな酒井教授の驚く声が聞こえた。
行き先はもちろん今朝あいつを見かけた所で、
今更行くのなんて多分もう手遅れなのかもしれ無いけど、とりあえず急いで足を動かした。
俺があの時、引き止めていれば、
俺があの時、無理やりにでもあいつに話しかけていれば、、
頭を回るのはそんな自責の念ばかりだ。
、、あの金髪、確か大きい病院の息子だとか言ってたよな、…?
、なら相当頭いいハズ、、それにここの学生だし、…。
頭が良すぎるやつは、何をしでかすかわからない。
……どうか、無事でいてくれ…………っ!!!!!
ひたすらにそう願いながら、俺は必死にあの気味の悪い資料室を目指した。
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