アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
優越感の理由。
-
……都のこと……?
さっきの話のことか…?
「……甘い……って何がっすか、?」
そう少し考えてみるもさっぱり何のことかわからずそう聞き返すと酒井教授が2人分のコーヒーをこっちに持ってきながら「全部、」と声を落とした。
「……?」
「、だいたい君はミヤくんの外見しか気にしてないだろ〜?」
外見しか見てない…って……
「……いや…だって、…あいつにファンがつく理由、外見以外になんかあります、?」
正直にそう答えた。
人と全く、関わろうとしない、人当たりなんてきっと最悪であろうあいつが外見以外でファンを作るなんて考えられない。しかし、
「……はぁ……だから、君は何もわかってないって言ってるんだよ…。…ミヤくんはね、帝大生の中でもそりゃもう目立つ存在でね……」
酒井さんはそう言ってまた俺の前の席に腰掛けると俺にコーヒーのマグカップを渡す。
コーヒーから上がる湯気が俺の視界を白く濁らせた。
「……はぁ。」
「ミヤくんはね、入試もトップ入学で、話すことができないから新入生代表は辞退したらしいけど、とりあえずずば抜けて頭がいいんだ、。それに、」
……は、トップ入学……?!?と思いつつも、酒井さんが話を続けるため、聞く。
「……それに?」
「あれ、見てみて。」
酒井さんはそういって、後ろを振り返る。……その目線の先には、相変わらず都と何やら紙を持ってなにかを質問してる様子の…学生…?がいて、…そして、都は何やら紙に何かを描いていた。
「……、なんすか、あれ。?質問ですよね、?」
はっきりとはわからずそう返すと
「うん、。ミヤくんはああやって質問とか、…自分の書いたレポートとかを添削してくれるんだ。…………、まぁなんといってもそれがものすごく人気でねぇ……。」
酒井さんは振り返るのをやめて眉を落とすと湯気の少なくなったコーヒーをズズっとすすった。
「…まぁ確かにさっき君が言ってたように、彼はただの院生なんだけど、…でも彼の回答の的確さとか、添削の丁寧さとかは彼しか持っていないからね、。…それに、あんなに頭いい人が、しかも綺麗な人が、文句も言わずに嫌がらずに丁寧に教えてくれるんだよ?……そりゃぁ人気出るよね…、」
「……、なるほど…」
「特にね〜〜、!ミヤくんの論文の添削は物凄く人気でね、すごく的確に綺麗な文に直してくれることで有名なんだ。…それがあまりにも浸透しすぎて文系の教授が"ミヤくん直し禁止令"出したほどなんだよ、笑」
はははっと酒井さんがそういって笑う。
「……え、そんなになんすか、」
「そうそう、だからね、?はっきり言って学部とかもう全てまたいでミヤくんにはファンがいるのさ。……多分ね、帝大生なら殆どがミヤくんのこと知ってるんじゃないかなぁ……?」
……殆ど……って……。
確かに、図書館でもみんなからチラチラ見られてたし、…酒井さんのその言葉には説得力があった。
……というか、なるほど、という感じ。
……だって、こいつ見るからに頭も良さそうだし、……まぁ、トップ入学とかそこまではわからなかったけど、……人を惹きつけるものは、確かにある。それはわかっていたことだった。
……つーか……どっちかっていったら……
フイッと俺はもう一度あいつの方へと目を向けた。
確かに質問している。
都に話しかけている学生がなにやら腰が低めにペコペコしながらなんか説明してるし……、でも、やっぱり都はなにも声を発していない。
……いや、それはそうなんだけど、。、
声だけじゃなくて、当たり前のように表情も一切変わっていないのだ。都が手元でなにを書いてるかなんて知らねえけど、確かに顔はいつも通りの無表情。
……はっきりいって、俺にはまずそこからが疑問だった。
確かに頭がいいのとか、添削がいいとか、そこは魅力的かもしれないけど、"あの"鉄壁のように人とコミュニケーションする事を拒んでいたあいつが質疑応答に答えている事が俺にとっては不思議だった。
……だってわざわざコミュニケーションしないために喋れないフリしてるやつだぞ、??
……なんで、…しかも人気になるくらい丁寧にしっかり教えてやるとか。……
……俺だったら、一切教えてやりもしないし、寧ろ質問なんかに来たら睨みつけるけどね(最低)だから弟子とかももちろん取らないし。
なのに、どうして、…。
あ、…もしかしてコミュニケーションは嫌いじゃないとか、?
いやいや、だったら俺の事だって無視しねえだろ…。
そんな事を考えていると
「……ぷっ、どうしたの逢坂くん、。……顔、コロコロ変わってるんだけど、笑」
酒井教授が俺の方をみてふふふと笑った。
どうやら俺は悩みに悩みすぎて百面相していたらしい。
「……いや…、あいつが質疑応答してるのがなんか不自然で、」
正直にそういう。
「、え?そう?…ミヤくん普通に教えてくれるよ?」
「……いや、…はい、まぁ、そうなんですけど……」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
48 / 130