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恋仲
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「え?」
言葉の意味がすぐに理解できなかった、
『俺は、小瀬と付き合うことにしたから』
ーー小瀬と、付き合う。
和哉が、小瀬と、恋仲になる。
……嫌だ。そんなの、嫌だ。
気づけば、言葉が零れていた。
「……嫌だ」
和哉が目を見開く。
「和哉が小瀬と付き合うなんて、嫌だ」
「……なに言ってるんだよ。お前には来夏がいるだろ」
「でも、僕は和哉が他の誰かと付き合うなんていやだ!なんで、なんでなの」
「だからお前に関係ないだろ」
涼真の言葉に被せるように和哉が言葉を吐き捨てた。
その瞬間、奥に潜んでいた気持ちが溢れ出した。
「関係なくない!!……だって、だって、やっぱり僕和哉のことーー」
「うるさい!!!」
怒鳴ったのはーー小瀬だった。
目を三角にして、いつも冷静な小瀬からは想像もつかないくらい声を荒げている。
涼真はその形相に尻込みした。
「涼真くんには恋人がいるじゃない!和哉くんのことなんかどうでもいいくせに!和哉くんは、俺のなんだから、その気がないくせに和哉くんを惑わすようなこと言わないで!」
しん、とその場が静まる。
すると、小瀬は小さく息を吐いて、震えた声で言葉を続けた。
「……出ていって」
「…え?」
「……僕たちの邪魔をしないで。出ていって」
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