アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
足りない
-
「……足りねぇよ」
ビクリと身体が強張る。
その声があまりにも甘く身体の奥に響くから…
あの瞳がまっすぐに俺を捉えるから…
向かいに座ってる圭太の手が伸びてきた。机に乗せていた俺の左手が絡めとられる。指先で遊ぶようにして指と指が絡み合う。
「俺はもっとお前に触れたいし、身体だって重ねたい」
そう言って薬指の付け根に口づけをしてきた。
その瞳は俺を捉えたまま逃がさないとでもいうように視線を外すことはなかった。
身体の奥がゾクゾクする。
このまま昨日の夜みたいにキスして今辛うじて働いてる理性と思考を全部奪い去ってほしい……そんな感覚
「俺のものになれ」
「ず…るい…よ……
そうやって俺の気持ち持ってって…思考回路壊して…」
じわりと涙がたまる。
「今はよくても…いつか、どこで、なにが理由で別れるかわかんねぇのにそんな事言うなよ
それともなにか?別れねぇ保証でもあんのかよ…」
あぁ最悪だ。女々しい。付き合ってもねぇ俺がなにを束縛じみたこと言ってんだ。
「気持ち持ってったのはお互い様だ。壊れたなら俺が直してやるよ
俺を好きだって上書をしてな」
「ばっかじゃ…ねぇの…」
「そうだな…バカだと思うよ。お前に関しては、特にな」
~~~~~~!
「それに十数年お前の傍にいてお前のバカさ加減も一番知ってるし、実はかなり涙脆いとこも、お気に入りのアイス勝手に食べられただけで一週間根に持って俺の読みかけの本隠して怒るようなとこも全部分かってて、“好きだ”って言ってんだけど?」
「よ、よく覚えてるなそんなこと…」
アイスなんて小4の頃じゃねぇか
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
168 / 662