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夢と夢
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長年…といってもはっきりと決めたのは中二の夏。
彼女が出来てもすぐに別れる圭太に、ちゃんと大切に想える相手が出来たときは幼馴染の俺が一肌脱いでよろしくお願いしますってするはずだったのに…
俺のどこが好きなんだか…さっぱりわからん
ガッツリ掴まれた手をやっとの思いで外して部屋を出たら、カーテンが開けっぱなしの窓の外が真っ暗になっていた。慌てて携帯を探すと、母さんから一通のメールが届いていた。
“圭太くんの家にお泊りするのはいいけど、迷惑かけるようなことしちゃダメよ♪”
………なぜわかった
つか11時すぎって俺一体どんだけ寝てたんだろか?つかいつまでシたんだ?
寝る直前の記憶を辿るが、ほぼ曖昧で思い出すのは恥ずかしいことばかりで思い出すのは諦めた。
ハラ減ったぁ〜
のどを潤して、簡単に軽く食べれるものを用意して力尽きた俺は布団に戻る力もなくてソファーにうつ伏せに倒れ込んでいたら、寝室から圭太が出てくる足音が聞こえてきた。
「れい…じ?」
「ん~?おはよ……ふはっ…!
せめてズボン位はけよ」
圭太がいる方に顔をあげれば、パンイチでポカンとした間抜け面の圭太が俺を見ていた。
「あ…あぁ……お前こそ何してんだよそんなとこで」
「見てわかんない?力尽きてソファーに倒れ込んで……何泣いてんだよ」
近づいてきた圭太の顔をちゃんと見上げたらボロボロと涙を流していた。
「怖い夢でも見ましたかぁ?よしよししてあげよっか?」
横向きに寝なおして思いっきりふざけて猫なで声で両手を差し出したら涙を流しながら胸元に思いっきり顔をうずめてきた。あっけに取られてしまったけど、悪乗りしてるわけじゃなさそうだ。
手が俺を離すまいと痛いほどに掴んできたから。そして「よかった…」としきりに何度も呟いていた。
いつもと逆の立場だな…なんて思いながらその背中と頭に腕を回して、撫でる。
「そんな怖い夢を見たのか?」
「……約束しろ
絶対に…勝手に…俺の前からいなくなるな」
「………はい」
何この可愛い生き物。俺知らないよ?
すっごい鋭い目で睨んできてるけど、怖さが微塵も感じられない…
なんだろ?猫?狼?
「で?どうしてベッドから出てこんなとこにいたんだ?」
ひぇぇっ!目がすわってらっしゃる!!!
さっきまでの可愛いのはどこに行ったんだよ!泣いてたよね?!
今魔王様は出てこなくていいよ!
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