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元々華奢な身体を隠すように更に縮まって歩く先生の手を引いて歩く。
恥ずかしさからか、下を向いて歩く先生は大人しく手を引かれて、見た目は女子だが、声までは変えられない為、人が多い所では一言も発せず、俺が何か話してもコクコクと頷くか、フルフルと首を横に振るかのどちらかで、でも周りに人がいなくなるとブツブツと文句を言い出す。
「スカート…もうヤダ。足がスースーする」
『厚めのタイツ?ストッキング?はいてるでしょ』
「でもスースーする。ヤダ」
『今日1日だけだし、我慢してください』
我慢と聞いて頬を膨らませ「むぅ」と怒るそれが可愛くて俺は笑った。
遊園地で2人、手を繋ぎ歩いても他の恋人達となんら変わりはなくて、俺達を見ている人は誰もいない。
歩いていると、途中たくさんの風船を持ったピエロが先生に1つ風船をくれた。
「三十路のオッサンに風船って……」
『大丈夫、今は大学生くらいのの女子に見えてますから』
「う…全然嬉しくない」
先生は溜息をついて、近くにいた幼い子供に風船を差し出し「あげる」と言うと、子供は「お姉ちゃん、ありがと」そう言って走って行った。
「お姉ちゃん…か…」
『そんなに複雑そうな顔しないでください、今は楽しみましょう?』
「…わかってるよ」
先生は観念したのか仕方ないなって顔して息を吐くと「ホラ、行くぞ」そう言って俺の手を掴んだ。
先生から手を握ってくれたことが、些細な事なのに嬉しくて、さっきも手を繋いでいたのに今は少し照れくさくて、照れた顔がバレないように視線をズラした。
「ん? どうした?」
『何でもないですよ』
「変な奴」そう言って笑った先生が本当に綺麗でみとれた。
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