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隣にいること scene立花
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仲直りから一夜明け、俺達はゲームのコントローラーを握りしめ2人並んでテレビに向かい激戦を繰り広げている。
黙々と敵を倒しながらふと思う、何で俺コイツのことが好きなんだろう…って。
そして、何でコイツは俺のことが好きなんだろうって。
その場の雰囲気が盛り上がって好きとか言ったかもしれないけど、実際何でこんな根暗で性格悪くて、態度も悪くて、意地悪で、常に俺を見下ろすこの大男に好きとか言ったんだって話。
たまに優しい時もあるかもしれないけど、たまにだし、だいたい何で女じゃなくて俺なわけ?って思ったりもする。
俺は草野がモテない訳じゃないのを知っている、根暗の癖に好意を寄せる女の子がけっこういる、直接好きだって言っているのを聞いた訳じゃないけど、草野を見ている視線が好意だと言わずしてもわかってしまう。
俺はコントローラーのスティックを動かしながら、何でも無い日常会話の様に口にした。
『なぁ、何でお前は俺のことが好きなわけ?』
「なんだよ今さら」
『まぁ、今さら感あるけど聞いた事ないなって』
「何でって…」
『何で?』
「…そんなのどうでもいいだろ」
『別にどうでもいいのかもしれないけどさ…』
どうでもいいって言葉に釈然としなかったが、草野は耳を赤くして少し照れた様な横顔で無言でコントローラーを操作していて、そんな横顔を見たら俺はそれ以上は聞かなくても良い気がした。
まぁ、好きな理由を聞いた所で何かあるわけでも無く、逆に俺に同じ事を振られても答える自信は無いし、それ以上追求はしないでおいた方が身のためだとそんな事を考えていた。
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