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悪魔、風呂に入れられる。《2》
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「ほら、深紅の薔薇にして良かった。ベルリンの黒い髪によく似合う。綺麗だよ…」
「よく、そんな歯の浮く様な台詞が吐けるな…。しかも、男相手に気色の悪い…」
ラジエルのまるで口説き文句の様な台詞に、鳥肌が立つ。
噎せ返る程の薔薇の香りがバスルームに充満している。
まさか、自分が寝ている間に準備したのだろうか…?
基本的にこういう軟派な奴は気に入らない。
だが、その対象が女相手ではなく、自分という事に複雑な思いが込み上げる。
「お前、吾輩の様な男にこんな事して楽しいのか?」
「すっげえ楽しい」
「哀れな奴だ…」
そして、そんな奴に捕まっている自分はもっと哀れである。
即答したラジエルに、思わず泣けてきそうだ。
自分が濡れるのも構わずバスタブに凭れて、楽しげに吾輩の頭に薔薇の花片を乗せるラジエルに、本当に涙が出そうだった。
こんな事をしている暇等、吾輩には無い。
早く、此奴から離れたい。
でなければ、また何をされるか分かったものじゃないと頭を抱える。
本当に厄介な相手に捕まってしまった。
一刻も早く、この首輪を外し、ここから出る方法を探さなければ…。
そして、
魔力が戻ったら、絶対に此奴を殺してやる。
そう心に強く誓った。
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