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後悔(優視点)
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伊藤君を送り届けて、車内に1人になった私は、ずっと後悔していた。
今回の事件は、防ごうと思えば、防げた事だった。
あの時、ちゃんと加藤君を送り届けていれば、加藤君が再び男に襲われて犯されそうになる事はなかったかもしれない。
それに、助けなければという思いが先に行き過ぎ、現場に慣れていない素人で、しかも加藤君の友人である伊藤君まで巻き込んでしまった。
きっと、加藤君のあんな姿やあんな光景は見たくなかっただろう。
そんな事をずっと頭の中で考えていると、加藤君が入院している病院に着いた。
病院の中に入って、加藤君がいる病室に入れば、そこには署から連絡がいったのだろう、加藤君のご両親が居た。
加藤君のお母さんは、息子の身に再び起こった悲劇に涙を止められず、加藤君のお父さんは、悲しみをグッと堪え、加藤君のお母さんを支えながら、しっかりとした顔付きで加藤君を見ている様に感じた。
私は、申し訳なさで2人に声を掛ける事が出来ずにいた。
「あの」
どうやって声を掛け様か悩んでいた時、加藤君のお母さんが話し掛けてきた。
「はい。何でしょうか?」
「息子を助けて頂いて、ありがとうございました」
「いえ。そんな、私は、何も出来ませんでした。何も……………」
「いいえ。そんな事ありません。貴方が助けてくれたお陰で、息子は今、私達の目の前に居てくれます。本当に、ありがとうございました」
「私からも礼を言う。ありがとう」
そう言いながら、2人は、こんな私に頭を下げた。
「いえ、お礼を言われる様な事は何もしていません。どうか顔を上げて下さい。それに、本当に私は何も出来「……………んんぅ………」」
「悠久!?」
「…………ん、お、か、あさん?」
何も出来なかったと言おうとした時、加藤君が目を覚ました。
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