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過去(優視点)
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私は、元々父が警官だった事もあり、小さい頃から警官になろうと決めていたが、強く警官になろうと決意したのは、今から9年前に起きた事件がきっかけだった。
私は、当時高校2年で、近所に小学5年の男の子が住んでいた。
名前も顔も思い出せないというか、その事件がきっかけで、思い出そうとすると、名前や顔が霞んでしまうが、その子に何故か懐かれてしまった私は、よくその子の遊び相手になっていた。
私は、部活も何もしておらず、基本暇で、友人から遊びに誘われない限りは、宿題をしたりボーっとして毎日を過ごしていた。
そんな中、現れた、小学5年の男の子。
出会いは、学校から家に帰る途中にある公園だった。
その公園にポツンと1人の男の子が、ボールを持ったままジッと立っていた。
何故、その時、話し掛けたのかは、分からない。
けれど、それがその子との出会いだった。
その日は、ボール遊びを一緒にした。
本当に楽しそうに心の底から笑顔を見せてくれる男の子だったと思う。
それから、その子は、よく公園で私を待つ様になった。
私がその公園の前を通って帰れば、遊んで欲しいと話しかけられ、遊び相手になる。
そんな関係が数ヶ月続いていた時、いつもより遅くまで遊んでしまった日があった。
1人で帰すのは危ないと思った私は、その子に家までの道を聞きながら、送っていく事にした。
すると驚いた事に、私とその子は家が隣同士だった。
すると今度は、よく家に遊びに来る様になった。
特に断る理由の無い私は、家に上げて一緒に遊んでいた。
親もその子の事が気に入ったのか、来る度に笑顔で迎え入れていたし、私もその子が家に来るのが当たり前の様になっていた。
それに、小さい子の相手をするのは、別に嫌ではなかったし、暇な時間を潰す事が出来て、私にとっても、楽しい時間だった。
いつだったか、その子に友達と遊ばないのかと聞いた事があった。
その子は、悲しそうな顔をしながら、女顔で気持ち悪いから一緒になんか遊ばないと言われて、仲間に入れて貰えないと話してくれた。
その話を聞いてから、出来る限り傍に居て、この子が傷付かない様に守ってやろうと、誰に言うでもなく、自分自身にそっと誓った覚えがある。
こんな感じで、平和に時間は流れている筈だった。
けれど、それは違った。
その事件は、ある日突然起こり、今でも私の脳裏に焼き付いて離れず、その子の顔と名前を覚え出せないきっかけになった。
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