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なんとなく今まで先輩に抱いていた違和感というのは、本当は俺のこと好きではないんじゃないか? ということだった。
でも、俺と先輩がはじめてセックスした時。先輩は俺に本気で愛されたがっていた。そして逆に嫌われることにすごく怯えていた。
きっと先輩は俺のこと好きじゃないんだって思っていたからそんな先輩に驚いたけど、先輩が偽ってないのは分かる。なら、俺が必要以上に勘繰りすぎただけなのか。
俺は先輩のことを勿論愛していて
先輩も俺のことを愛していてくれた。
気持ちは一つに通じ合い、胸につかえていた違和感も綺麗さっぱり拭えた。……ただ一つ。先輩が俺に謝っていたこと以外は。
一体、先輩は何をあんなに謝っていたのだろうか。
「エマってば!」
「っ、あぁ…何だよ」
「何だよ、じゃないよ。さっきからずっとボーッとしてるけど大丈夫?」
そんなに分かるくらいにボーッとしていただろうか。確かに考え事はしていたけど。はっとして辺りを見渡してみる。さっきまで授業だったはずが、周りは騒ついていていつの間にか休憩に入っているようだ。
チャイムの音、全然聞こえてなかった。
「しっかりしてよね。姫路先輩とエッチしたからって浮かれちゃってさ…」
「うわああ! お前ここ教室だぞ!」
なんてことを口走るんだコイツは!
間宮の爆弾発言に慌てて奴の口を塞ぐ。このまま窒息死させてやろうかなんて考えが過った。
「ぷはっ……へーぇ、そうなんだぁ」
手から抜け出した間宮がキラリと目の端を光らせて俺を見る。その表情はまさしくしてやったり顔で。
「てめぇ、カマかけてやがったな!?」
うっかりこいつの罠にハマってしまった。思っきし睨みつけるが、間宮は気にした様子もなく俺の反応に楽しそうに笑うだけ。
「ごめんごめん。でもさ、正直カマかける前から分かってたよ」
「はぁ?」
「姫路先輩の様子。雰囲気って言うのかな、前とは違う、色っぽくなってた。見て分かるくらいだから、今それで話題が持ちきりだよ。ついに上野とヤッたのか!! 俺たちのエンジェルがぁ! って」
「ああ、そう……」
容易に想像がつく。俺はこれで確実に学校中の男たちを敵に回したことになる。今度から本格的に何かしかけてくるだろうな。
「でもエマは何だか嬉しそうじゃないね」
「ん? そんなことはないけど」
「けど?」
「……お前には関係ないだろ」
そう言って、間宮から視線を外す。
こいつは変に鋭い。だからと言って、付き合ってる恋人が俺のこと好きだけど何かあるみたいなんだ、なんて口が裂けても言えない。もし言ったところで、こいつが理解するとは思えないし逆に面白がってくるに違いないからだ。
しっしっあっち行けと手で間宮を払う。間宮は不満そうにブーたれていたが知るか。
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