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着いて早々、「なんだこれは」と言いたげにスズヤは海でビーチバレーを開始した水着姿のアスカとマナブをパラソル内で観察していた。
無論、一対一でビーチバレーなど出来るわけも無く、マナブはわざわざ美人の多い女子の大群を選び、割り込む形でそれは開始された。
そんな自己中心的な行動にも関わらず、色男と一時の夏を過ごせるならばと、頭の上に花を咲かせ、女子も大はしゃぎ。
「パラソルにいないで、兄貴も行けばいいだろ」
「行くか行かないかは俺が決める」
スズヤは「さようでございますか」と回答。何故パラソル内で男二人きりでいるのだろうかと、罰ゲームにすら見えるこの環境に、自然とため息が溢れる。
「てか、お前さっきから何やってるんだよ」
「……日焼け止め塗ってる」
「お前側から見たら踊ってる様にしか見えねーぞ」
指が短く、先ほどから背中に上手く日焼け止めが上手く塗らさらない状態に、必死に格闘しているスズヤが、あまりにもおかしいのか、笑いを必死に堪えてるリクト。
あまりの暑さに、流石にスズヤも水着姿に着替えてしまったが、上は丈の長い日焼け対策用のパーカーに、下もギリギリまで長いものを選んだ。
だが、足は少々むき出しになっている部分もあり、いくら日焼け止めを塗ろうとも、弱いスズヤの肌は既に赤くなりつつある。
パーカーの上からじゃ、背中はまともに日焼け止め上手く塗らさらない。災難、部屋にいればよかったなど、今更後悔しても遅い。
手の平に追加で日焼け止めを出そうとすれば、横からいきなりリクトに奪われる。日焼け止めを持ち歩いてるスズヤに対して「女みたいだ」と散々馬鹿にしていた彼の行動に「結局お前も塗るのかよ」と思ってしまったが、わざわざ口に出すことでも無い。
だが奪い取った理由は自身が使うためでは無い様子で、彼は別な考えを持っていた。
言い切れる理由として、リクトは日焼け止めを片手に、ジリジリとスズヤに接近してくる現在が証拠であろう。
ここまで行動を露わにされれば簡単に考えなど読めてしまうもので、スズヤは直ぐさま逃げ出す体制を作り出すが、リクトの脅威な反射神経により瞬時に押さえつけられる。
「お、兄弟二人で何楽しそうなことやってんだ……って、今までに無いぐらいスズヤに嫌な顔で見られてるんだけど俺」
タイミング良くマナブが足を向けるので、スズヤは「こっち来んな」と必死に目で訴えかける。
この状況を見て、楽しそうに見えるのなら、一度眼科に行くことを彼にお勧めしたい。
スズヤが彼の登場を心から嫌がる理由として、彼が厄介ごとを増やすこと確定ゆえの防衛反応。
前回のように、彼が止めに入ってくれれば文句は無いが、前回と今回では状況が異なり、リクトがスズヤを襲ってる訳では無い。
「俺がこいつに日焼け止め塗ってやろうと思って」
「何それ、楽しそう」
「……言うと思った」
だから嫌な顔で見たんだよとスズヤは、この状況を作り上げたリクトを必死に恨んだ。
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